ぼくのブログの内容の端々に
田舎は何もなくてダメだなぁという
愚痴っぽさを感じるが、そんな田舎にも、
とっても良いところがある。
ずいぶん、昔の事、父親が車屋さんを辞め
お米の精米と販売をやりだしたとき
よくお米の配達を手伝った。
(よく手伝ったように記憶しているが、それは定かではない)
販売していたAreaは山間地で、
単に配達といっても配達に使う軽トラが入れない
山道が多く、そこからは車を降りてお米を担いで
配達をした。
子供のぼくは、働いている事でまるで大人になったような気分になり嬉しかった。
細い坂道を14㎏のお米を担いで登っていく。
時にはいっぽん橋のようなところを行った記憶もある。
すると、小さな民家がありおばあさんが出口まで
迎えてくれる。
まぁご苦労さん。
ありがとう!
さぁどうぞどうぞ
『お茶を飲んで一息ついて』と
おでんをつくってる七輪の横から
シューシューと沸いてる
お湯を取り出し温かいお茶とおでんの卵と
大根を出してくれた。
小皿によそって出してくれる。
湯呑みやお皿の形は違うが
父親に出すそれと同じ。
そこから、おばあさんと父親が
いろいろと世間話をして話もつきた頃に
『じゃ帰るか!!』という号令で
父親の後をついていく。
そんなのんびりして温かみのある光景は
田舎が似合うだろう。
子供の僕でもあの時のお茶は美味しかった。
おばあさんがゆっくりとお茶を出す様子をじーっと見てたので印象が良く残っている、
『まぁお茶でも飲んで一息ついて』 という言葉にすごく温かみを感じた。
そんな配達先が何件もあった。
そしてとっても良いと感じたのは、
人と人との触れ合いだ。心が休まる。
おそらくその時の父親の年齢はおばあさんの息子くらいで僕は、孫くらいの年齢だったんだろうと思う。
もうひとつ思う事。
こんな情景をいつまでも
覚えているのは父親と同じ時間を共有して
父親の息づかいを感じる事が出来たからだ
と思う。
今はもうその時の父親の歳を追い越してるな。