思い出したようにふと考える。
父の事。
もう亡くなって10年くらい経つ。
まだ僕が若い頃は話す事が少なかった。
すぐに喧嘩になってしまうことも理由だった。ところが父の身体の具合が悪くなった後、ずいぶん話しをしたと思う。
しかし、それは、彼の身体の具合が悪くなった後なので少し変だ。
父はもともと商売をしていた。いつも友達が家に来てたのを思い出す。おじさん達のお土産が楽しみだった。(多分おじさんといっても今の僕よりふた回り位、若かったんだと思う。)その頃は、父もまだ35歳くらいだった。いつもにぎやかで楽しそうに見えた。また、平日もよく出掛けており帰りが遅かった。その頃の父は、とっても楽しそうだったように思う。しかし母親が亡くなった後、父の様子は全く変わってしまった。
自暴自棄な感じだった。そりゃそうだろう最愛の妻がいなくなったんだから。
その後、父親が亡くなるまで26年くらいの間、父はどんな思いだったんだろう。
時々そんな事を思い胸が締め付けられる。
僕も母親がいないさみしさは強烈だった。
いくら考えてもどうにもならない事だけど昔に喧嘩した時に父が言ってた内容を思い出し、ひどい事を言い返してたんじゃないのかと悔やむ。
同じ男として、
今さら気持ちがわかっても遅いよな。
時々よみがえる。