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◇田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ◇


現クイーンの強さに触れ、クイーンになるという夢を改めて強く持った千早でしたが、初めての大きな壁にぶつかります。

悩みながらも新たな強さを手に入れていく千早に注目です!


そして瑞沢かるた部メンバー同士の熱い戦いからも目が離せません!


以下、ネタバレ有感想です。



◆新たな強さ

千早に「速く取るのをやめなさい」と言った原田先生。

しかし、そんなことを言われた千早はどうしていいか分からなくなってしまいます。


今まで、千早にとってのかるたは“速さ”だったから。

自分のアイデンティティを否定されて、八方塞がりの状態の千早。

A級昇格後初めての高校生以外も参加する公式戦では、対戦相手の金井桜さんに「速いだけの子に当たれてラッキ☆」と言われ一回戦で負けてしまいます。


千早にとって初めてぶち当たる大きな壁。

そんな千早が、周りの人たちの良いところを吸収しながら少しずつ前に進んでいきます。

机くんの「分析」

かなちゃんの「意味」

金井さんの「呼吸」

そして“札とだけ戦ってるみたい”な状態から、少しずつ対戦相手のことを見ることができるようになっていくのです。


“札とだけ戦ってる”というのは、相手の戦い方や試合の流れを考えず、ただ場にある札を速く取ることだけ考えているということだと思います。

高校生だけが相手だった今までは、速さだけでも戦えていたかもしれません。

しかし、これからクイーンを目指して技術も経験も上の選手たちと渡り合っていくには、それだけでは不十分なんですよね。

原田先生が千早に“クイーンになるためのかるた”を教えようとしているというのはそういう事だと思います。

「速く取るのをやめなさい」とだけ言ってその時は多くを語らなかった原田先生でしたが、その言葉には「自分で考えて、乗り越えて強くなりなさい」という原田先生なりの愛情が込められていたのではないでしょうか。


こうして悩みながらも大きな壁を少しずつ乗り越え、新たな強さを手に入れようとする千早。

千早の強さは仲間から、周りから良い影響を受けて育まれた強さなんですよね。

ひたすら孤独に札と向かい合ってきた詩暢ちゃんとは対照的なところです。


◆かなちゃんの物語

瑞沢かるた部メンバーが昇級をかけて臨むさいたま大会。

D級決勝のカードはなんと、かなちゃんVS机くん!

かるた初心者同士、今日まで切磋琢磨してきた仲間でありライバルである二人です。

机くんには申し訳ないけど、ここでの主役は完全にかなちゃんでした。


かなちゃんは元々精神的に大人なので、自身の成長がテーマというよりはいつも他のメンバーのことを見守っているタイプ。

その成長にスポットが当たることはあまりありません。

今回はそんな数少ないかなちゃんの物語です。


“かなちゃんは袴を着て100パーセントになる”…

自らのアイデンティティである袴に身を包み、丁寧で粘り強いかるたを取るかなちゃん。

かなちゃんの名言「女たるもの 美しくなければなりません 戦うときも」(耳が痛い…)、まさに女性の鑑ですね。

かなちゃんの芯の通った強さ、めちゃくちゃかっこいいです!


最後のかなちゃんの勝利の涙は本当に美しかった。感動しました。

机くんも今回は素直にかなちゃん に「おめでとう」と言うことができました。

仲間であり良きライバル。本当に良い関係ですね。


◆運命なんかに任せねえ

かなちゃんVS机くんというドラマの裏では、B級決勝太一VS肉まんくんというもう一つの戦いが繰り広げられていたのですが…

千早、完全に忘れていた模様。笑

まだ太一の扱いがぞんざいでおもしろい。


千早には忘れられていましたが、ここ最近メンタル面の成長著しい太一。

肉まんくん戦の勝負は運命戦に。

運命戦は自陣を守るのがセオリー、必要なのは運のみ…

誰しもがそう思っていたのに、なんと太一は果敢に敵陣を攻めていったのです。

「運命戦?ふざけんな 運命なんかに任せねえ」

ついこの間までは“勝てなくてもいい”と言ってどこか自分で逃げ道をつくってきた太一が、がむしゃらに勝ちを取りにいこうとしています。


“千早… おまえだったらわかるのかな 「あ」になるまえの音 「せ」になるまえの音 。千早 おまえだったら”

この“勝ちたい”という必死さが伝わってくるモノローグ、すごく印象的でした。

こんな風に自分の弱さも全てさらけ出したみっともない位の必死さが、太一の最大の魅力だと思います。


この後くらいから千早も少しずつ太一のことを見るようになるんですよね。こっそり応援に駆けつけたりしてるし。

車で寝ている太一を肩まくらさせるシーンは新派的としてはやきもきさせられますが、太一が少しでも報われてよかったなぁと思います。


◆かるたの神様への礼

かるたの世界に戻る決意をした新。

誰もいない練習場で、じいちゃんに向かって礼をします。

「名人戦予選 西日本代表を目指します」


これまでの新はきっと、じいちゃんに真正面から向き合うことすら辛かったはず。

この礼をもって、やっとじいちゃんの死のトラウマを乗り越えられたのでしょう。

新とじいちゃんは本当に強い絆で結ばれてるんだなぁと感じました。


◆その他雑感

①進路問題

後々に大きなテーマとなってくる進路問題ですが、まだこの時点では迷走中の千早。

志望大学:クイーンて笑


②金井桜さん

さいたま大会で千早が敗れた金井桜さん。

なかなか個性的なおばさまですが…

金井さんの「かるたが好きなのよ。いまでも夢はクイーンよ」のシーンが好きで、読む度に涙が出そうになるんです。

同じようにそれを聞いて感動した千早の「新 私たちが見つけた夢は こんなに…」というモノローグも、千早と新の絆が感じられてとても好きなシーンです。


③店長

勝儀書店の店長は、新ファンにとっては大変ありがたい存在。

“新くんにエロ本を見せる遊び”て笑

千早の水着ショットを妄想して悶える新、可愛すぎます。なんてピュアなんだ。

そして新も普通の男の子なんだなぁと。笑

店長にはこれからも新をいじり倒してほしいです。笑


*****



ちはやふるを読んでいて良い意味で期待を裏切られたと思ったのは、千早の強さが才能だけではないということ。

ジャ○プ漫画のように、千早は天性の聴力を武器にかるたの頂点に昇りつめる最強ヒロインとして描かれるのだと思っていました。

しかし実際は、千早は才能はあっても決して無敵ではありません。

負けることもあるし、勝てなければ悩む。

そうやって悩みながらも成長していく登場人物たちの物語がちはやふるのリアルな面白さなんだと思います。


7巻感想に続きます!