「枯れる」と「腐る」
今回も「ローマ法王に米を食べさせた男」の本のレビューの続きですが、その中で驚いた事がありました。
自然栽培の野菜は枯れる、農薬などを使った野菜は腐る。
スーパーなどでは虫がかじった後がなく、曲がっていないスラッとした野菜が並んでいます。
見た目ばかりこだわる生産者が農薬や除草剤をたくさん入れた結果だと言われ、虫がかじっているものが農薬を使わず体に良いものと言われます。
しかし薬を使うから虫がつき、腐ると高野さんは述べています。
確かに山の中の自然の葉っぱなどは腐るのではなく枯れます。
野菜もそれと同じだと説きます。
奇跡のリンゴ
映画や本にもなった「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんという方がいます。
今までの常識では無理だと言われた完全無農薬でりんごを作った人です。
この方から自然栽培の方法を学ぶ事を高野さんは考えます。
そして木村秋則さんの心も動かします。
高野さんの考えは木村さんだけが自然栽培を実現してても日本の食が変わらないという事でした。
いつしか日本全体の事を考えていた高野さんの志しに打たれ木村秋則さんは農業の塾を開いてくれ、今も大盛況だという事です。
木村秋則さんの塾で学んだ農家の人が作る野菜やお米は前述のように腐るのではなく枯れるという本来の野菜やお米の姿になりました。
常識を疑う事が未来への大きな変化を産む一歩になります。
(続く)