「あ~、やっぱりあれフェイクニュースだったんだ」

 

高校生が交差点にある大型ビジョンを見ながら言う。私もその意見に心の中で賛成し、うんうんと頭を前後に振る。

 

『今朝ABCD放送局で流れたニュースに一部誤りがあったとして放送委員会が会見を開き○○委員長は大変遺憾とのコメントを伝えました――――』

 

「AI認証マークがなかったからおかしいと思ったんだ」

 

「こりゃまた株価が下がるな」

 

「人が作ったニュースなんて流すなよ。他人が握ったおにぎりみたいでキモ過ぎ。視聴者の立場で考えろよ。マジサイテーだな」

 

私は大型ビジョン を見ながら思い思いの感想を述べがやがやと騒がしくしている人々を見ながら信号が青に変わった交差点を進む。

今の日本ではニュースはAIが作るのが普通だ。人の手で作られたニュースはその人の思想がのる。中立に作られれいるようでも右や左に傾く。だからテレビのニュース番組は全てAIが作っているし、そんなAIが作っているニュースには画面のどこかに必ずAI認証マークが表示される。勿論インターネットのニュースサイトには人の手で作られているものもあるが公共性の高いテレビ放送ではAIの認証は必須だ。そのおかげか日本のテレビ放送は世界でも屈指の公平性と安全性そして信頼性を得ている。逆にネットのニュースサイトやまとめサイトはひどいものでフィクションとして楽しむ一部の人々が見る程度だ。ひと昔ではオールドメディアなどと言われていたテレビや新聞こそが今の情報化社会の覇権だ。自分で調べなくともAIがその情報の信用を担保してくれる。安心安全、AIさまさまだ。本当にAI認証を考えた人は天才だな。おかげで私を含む人々がフェイクやジャンク情報に踊らされる心配がなくなった。AIは良き隣人だよ。これからも仲良くできたらいいよな。