米ヴイエムウェアは8月28日(米国時間)、エンドユーザーコンピューティング環境管理製品群「Horizon Suite」のベータ版を2012年中に提供開始すると発表。CTOのスティーブ・ハロッド氏はVMworldの基調講演で、このHorizon Suiteと、同社が5月に買収を発表したWanovaの「Wanova Mirage」についてデモを通じて紹介した。また、Android端末の仮想化技術を発表済みの同社だが、開発中のiOS端末の「仮想化」技術についてもハロッド氏が紹介した。
Horizon Suiteとは、企業の社員などが多様な端末で、一貫した業務環境を使えるようにする一方、企業のIT部門がその環境全体を集中管理できるようにするためのソリューション。この製品群により、「マルチデバイス・ワークスペース」を現実のものにすると、ハロッド氏は話した。Horizon Suiteには、製品を提供済みの「Horizon App Manager」、開発を進めてきた「Project Octopus」、「Project AppBlast」、そしてモバイル端末の仮想化技術「Horizon Mobile」などが含まれる。
Horizon Mobileにより、社員は1台のスマートフォンで、個人用と業務用の、2つの環境を切り替えて使える。企業は、業務用のスマートフォン環境に対して業務アプリケーションや業務データを、会社としての管理ポリシーに基づいて社員に提供できるようになる。Android端末用にはハイパーバイザ「Mobile Virtualization Platform(MVP)」の技術を提供開始済みの同社だが、今回はiPhone/iPadの仮想化もHorizon Suiteに含めると発表した。
ただしiOS端末の仮想化は、アップルが許可しないかぎり、ハイパーバイザを使うことはできない。そこで苦肉の策としてヴイエムウェアが提供するのは、アプリとしての仮想ワークスペースの実装だ。
HorizonをiOS端末にインストールすると、ユーザーからは、アプリフォルダのように見えるようになる。このフォルダを開くと仮想デスクトップ(VMware View)、業務用SaaSアプリ、業務用ファイルスペースなどが、アプリアイコンとして見え、それぞれを起動できる。これを「仮想化」と表現できるかどうかは微妙だが、かえってMVPのようなハイパーバイザ方式に比べ、実際の導入や運用がはるかにやりやすいことは容易に想像できる。社員の私用端末にハイパーバイザを導入するのは、心理的にも技術的にもハードルが高いが、アプリとして業務環境を入れさせるのであれば、心理的な抵抗をさして感じずに社員自身が実行できるからだ。

