ダニエル・グレイグ主人公の007を第一話から見続けてきた。コロナ禍において彼の最後の作品になるNO TIME TO DIE が何度も延期になり満を持しての2021年10月1日に公開された。
ジェームズ・ボンドの長年の葛藤に終止符を打つ作品で納得の結末だった。
幼少期に両親と別れ天涯孤独になったボンドが、自分の居場所と生きてる意味を探し・愛に飢えやっと見つけた自分の居場所がMI6という諜報機関での仕事だったのだと思う。死と隣り合わせの世界で活動することで生を感じ、機関から必要とされることで自分の居場所を見つけ、色々な女性と関係を持つことで愛を見つけようとしていた彼の生き方には強く惹かれるものがあった。
前作では年齢による体力の衰えとまだ自分は第一線でやれるという葛藤、諜報員としての仕事がなくなった時の必要としてくれる存在が消える焦り、引退後の自分の人生に何が残るのか、そうした彼の生き方は人としての剥き出しの葛藤があった。そんな中、今作品ではマドレーヌとの間に子供が出来、彼が求めていた家族を手に入れることが遂に出来た。ただ最終的にサフィンを倒す途中で最愛の妻と子を触ることも抱きしめる事も出来ない体になってしまった彼は基地の爆破と共に死を選ぶ。
幼少期より求めていた家族という愛を手に入れたが、彼が生きてる限り家族に危険が付き纏う。しかも最愛の家族に触れることも出来ないまま生永えるより、自分の死が家族を守ることに繋がり死ぬことで永遠の幸せを手に入れることを選択する。007として生きるより一人の人間として愛を手に入れることを選んだ彼は今までの苦しみから解放され、最後に人としての本当の幸せを手に入れたのだと思う。