氷の微笑 後編 | どうしよう 俺

どうしよう 俺

20年間服用した 向精神薬 ソラナックス&デパス

完全断薬して 7ヶ月が過ぎ日々の 徒然を語ります

※※※「1週間 朝 昼 夜 きちんと服用してくださいね」とシャローン先生から言われたが、ソラナックスを減薬しようとしていたから他の向精神薬を飲むことが苦痛だ しかし自分は強迫性障害なんだ
そして飲むことで先生のノルマが達成できるならば。。。。
飲むしかない、、、あっしは義理と人情だけで生きている、、、 

そう思いながら手のひらにその薬を転がしてみる

先生との会話の最期でようやく教えてくれた薬の名前は「キボートル」という抗うつ薬だった

キボートル

漢字にすると

希望取る

(;゜0゜)

うー

嫌な漢字だ

うだうだ考えてもしょーがねー

あっしも江戸っ子

潔く良くいくっきゃねー



一気に飲んでみた

その時の記録がある


朝10時  服用

11時   頭の中が熱い

11時30分 熱い 熱い

13時   昼食後 服用

14時   頭の中が熱い 熱い なんだこの嫌な感じは

15時   身体がせりあがる感じ 頭上にピアノ線で吊るされて
     いる感じだ

16時   この薬 やばい

17時   上がる感じだ
     気分が上がるのではなく強引にせりあがる感じだ

18時   気持ち悪い

20時   吐いた

21時   うー もう嫌

22時   就寝前に服用

23時   強烈に気持悪くなる

翌3時までトイレで吐き通した

な、なんだこの薬は

こいつはヤバい,,!

おかしいことがもう一つある

おしっこが出ない

本当にやばいと思い一睡もできず ネットでキボートルの添付文書を調べた


主な作用
このお薬は優しくお身体に作用するお薬で強迫的な症状をマイルドに緩和します


副作用
希に呼吸困難、悪性症候群、頭痛、吐き気、痙攣、意識もうろう、気を失う、幻覚、せん妄、錯乱、硬直、黙りこむ、体温上昇、発汗、血圧上昇、手足のしびれ、けいれん、力が入らない........................
.................................不適切な笑い...................................
........セロトニン症候群..........失神........希に死亡......虫や動物が見える....
...............


えっ

希に死亡?

おいおいこりゃどういうこってい

いくら

うっかり八兵衛でもよ

薬を飲んでうっかり死んじまったという話は水戸黄門シリーズで聞いたことがねーぜ

これって薬を飲む前におせーてくれるべき事項じゃねーか

死んじゃてから添付文書見れねーぜ

シャローン先生に本当のことを聞くしかねーな

ということで朝一番褌を締め直し 先生を訪ねた※※※



「あら リッチーさん どう?お薬は?」

先生 せんせーよ

「ん?どうしたの?」

せんせーよ

そりゃないんじゃーございやせんか?

「ん?だから何よ?」

先生

あっしは飲みましたぜ キボートル

「うん」

そしたらですぜ

頭の中が熱くなって、無理やりせりあがる感じで、気持ち悪くなり 朝までトイレで吐き続けていたんですぜ

それと何故かおしっこが出なくなっちまった

もう嫌になりやした

「そう」

へい、そうでやす

「やっぱりね」

へ?

「ビ・ン・ゴ・だ・ね」

へ?

「つまりね強迫症状の身体化ね」

へ?

「だからー お薬を飲みたくないという心が症状として現れているのよ」

へっ

へっ~ーーーーーーーーーーーーーー

つまりは心の問題ですか


「そう心よ」


※※※と言うと先生は脚を組み替えながら唇を尖らせていた 
  窓の外は満開の桜だ 後1週間がピークだろう※※※


でも先生よー

ネットでキボートルの添付文書読んだんだけど

あのっすね

「何よ?」

キボートル副作用 希に死亡ってどういうことですかね?

「えっ」

「アハハ~ーーーーーーーーーーーー」

「リッチーさん可笑しい」

「あり得ないんですけど」

「アハハ 可笑しい」

ですが添付文書に書いてありますぜ

安全という証拠はあるんですかい

「あるわよ」

へい

どのようなもので

「だって 私たまに飲んでるから」


へっ

へっ~ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(;゜0゜)


※※※シャローン先生はそう言うと 脚を組み直し うつむき指先で机上をクルクルしている その瞳は憂いを秘めている

机が邪魔だった※※※


「リッチーさん もういいわ そのお薬飲みたくなければ飲まなくていいわ」

「あっ、、、、それとね」

「私ね」

「わ・か・ら・な・い・の♥」

へい なにがすか?

「つまりね」

「リッチーさんのこと」

「常用量のソラナックスを減らそうとしてることや」

「強迫を取ろうと頑張らないこと」


へっ 

へっ 

へい

そうでやしたか

あっしは

所詮ハンパもんでございやす

先生とのご縁はこれっきりということはいたしかたねーことでやす

「そうね」

へい

「お元気でね」

へい


※※※ さっきから気になっていたんだが、先生の胸元の小さい菱形のアクセサリーが動いている

良く見るとカメムシだった 上に向かってゆっくりと歩いていた
俺は会釈して先生に別れを告げた 勿論アクセサリーのことは見なかったことにした

そして俺は翌週 再びベンゾジアゼピン減薬のため別のクリニックに行くことになる
そこは仲間が言うには 東京で一番 ベンゾジアゼピンを抜くのが上手い先生がいるらしい

そこでまたとんでもない地獄のロックンロールパーティーが待っているとはその時はわからなかった

大人しくキボートルを飲んでいた方が良かったのかもしれない

でも

希望だけは捨てたくなかった 断薬のその日まで※※※


次回怒涛のファイナルへ  May Be Next Time