ロサンゼルスで迷子になった40歳 | it' my america

ロサンゼルスで迷子になった40歳

 路線バスの乗り方が分かったものの、まだロスという町の何たるかを把握できないまま、Yさんが留学している大学のカフェテリアで待ち合わせることになった。
「ウィルシャー通りのウエストウッドで乗り換えて、550番のバスで飛行場の側を通り過ぎてしばらくしたら降りれば、大学まで歩いても来られる距離だから・・」
 こんな簡単な説明を受けて、当日夜が明けてすぐにアパートを歩いて出発した。ウエスタン通りからウィルシャーに出るまでは良かったが、そこで左折しなければならないのに、右折してしまった。行けども行けどもUCLAのあるウエストウッドは現れず、辿り着いたのはウィルシャー通りの東の外れである、ロスのダウンタウンだった。
 この時点でまだam10:00だから、昼の待ち合わせには十分間に合うと思っていたが、またまた重大なミスを犯してしまった。やっとのことでウエストウッドまでやって来て、550番のバス停を捜して、バスに乗ったものの、やっと飛行場が見えてきたと思ったら、ここが終点だという。
 またまたサンタモニカの二の前かと思って、運転手に行きたい所のメモを見せたら、「あんたは、大人の迷子か」と笑われ、「このままバスに乗っていろ・・」と言われてしまった。どうやら、ウエストウッドで乗らなければならないバスを反対方向に乗ってしまったため、LAXことロサンゼルスの国際飛行場に来てしまったようだ。
 この時点でほぼ約束の時間になっていて、本当の目的地はLAXからフリーウェイに乗り車を飛ばしても、1時間以上かかる距離にある。それを路線バスで行こうとしているわけだから、2時間遅れでも間に合いそうもない。公衆電話に駆け寄ってダイヤルしても、訳の分からないテープが流れて、何度挑戦しても繋がらない。途方に暮れるとはこの事で、同じロス市内でも町の名前が違うと長距離になり、ダイヤルの頭に1を付けないと繋がらないなんて、渡米4日目の旅行者が知るよしもない。
 運転手が休憩を終えて、再び各駅停車のバスが出発したが、その距離の遠いこと。やっとのことでウエストウッドまで戻ってきたものの、さらにそこから1時間近くかかって、本来の目印であるヴァンナイズ飛行場が見えてきた。目指す大学はさらに先、大学名と同じ通りの名前=ノースリッジ通りで下車して、4ブロックほど歩いた先にある。
 待ち合わせ時間に遅れる事、実に生涯最高の5時間半。40歳の迷子は、げっそりと疲れ果てて待ち合わせ場所に到着した。