愛「秀太くん、待ってたよ。」
病室に入ってきたのは千晃たちと同じ大学で同じ心理学専攻の秀太だった。
秀「ごめん、サークルで後輩に指導で意外に時間とっちまって…あ、伊藤さん、体大丈夫?」
千「え、あ、はい…」
千晃は顔が真っ赤だ。緊張しているのだろう。
光「え?お、おい、千晃ちゃんもしかして」
愛「さ~ねぇ」
光啓は若干状況をつかめていないようだ。しかし、千晃はそれ以上の様子。顔も耳も真っ赤だ。本当にわかりやすい。
愛「私たち、けっこう喋ったから、後はお二人で」
千「え?ちょ、あ、愛」
愛「なかなかないチャンスよ。頑張ってね」
愛は千晃の耳に近づいてそっと言った。
千「そんな…どうせわた」
愛「しなんて、、、なんて言わせないよ」
愛は立ち、半強制的に光啓を連れて出て行ってしまった。
それと入れ替わりにベッドの横においてある愛たちがいた椅子に秀太が座った。
千「どうせ、私なんて…あ、」
つい、呟いてしまう口癖。言ってはいけないとわかっていても言ってしまう自分が嫌でたまらない。
秀太と2人きりになり、もともと四人部屋なのに1人しかいないという時点でさみしいということはよくあるが今は2人きりなのに何故かさみしい。
この沈黙をどうしていいかわからず、俯いていた。
秀「下の売店で買ってきたんだけど、よかったら飲む?」
最初に口を開いたのは秀太だった。
千「うん。ありがとう」
秀太からイチゴオレをもらった。なぜか胸がキュンとして手からイチゴオレを落としそうになった。恥ずかしいのか、緊張しているのか、そっけない返事しか返せない自分が悔しい。
秀「病室、1人だけなんだね」
秀太は病室を見渡して言った。
千「うん」
秀「さみしくない?でも他に知らない人が三人いるよりもいいかなぁ、俺だったら…あ、ごめん、ペラペラしゃべっちゃって。」
千「ううん」
なにか、自分からしゃべらないと、と思うがなにを話していいかわからない。
秀「ねぇ」
千「は、はい!」
突然声をかけられ、驚いて声が裏返ってしまった。
秀「その、腕の傷、どうしたの?」
秀太は千晃の右腕にある五センチほどの傷跡をみて言った。
千「これ?これは、小さいときに木から落ちてそんとき作った傷。私、運動神経悪いのになんか登りたくなっちゃって、バカだよね。私なんてどうせ、あ…ま、まぁ本当にあのころ以上に木に登りたかったの。で、落ちて手が血だらけになって泣いてたら、自分よりも、二つ三つ上の知らないお姉ちゃんが声をかけてくれて、そのお姉ちゃんのハンカチで私の腕を包帯みたいに巻いてくれたの。で、私の頭を撫でてくれて、私が泣き止んだの確認したらお大事にって言ってどっか行っちゃったの。…ご、ごめんなさい、ペラペラしゃべっちゃって。興味、ないですよね」
どうして、ここまでしゃべってしまっていたのか、自分でも不思議だった。そして、恥ずかしさと、申し訳なさが入り混じった。
秀「ううん。そんなことないよ。で、そのお姉さんとはまた会えたの?」
千「ううん。ハンカチ返そうと思って何日かその公園に行ったんだけど、結局会えなかった。まだ、捨てれないんだそのハンカチ」
秀「へー、でも、なんかそういうのって思わぬところで偶然の上に偶然が重なって会えるとかいわないか?まぁ、たまたま昨日みたテレビで、やってたんだけどな」
秀太は頭を掻きながら言った。その姿が子供っぽくてかわいかった。
つい、千晃も微笑んでしまった。
秀「笑えるくらい元気になっててよかったよ。じゃぁ、お大事に。また学校で会おうな!」
秀太はそう言うと、病室をあとにした。
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秀太でしたぁ

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