先「はい…はい…お大事に…」

電話を切った。

直「宇野のお母さんからでしたか?」

先「あぁ…」

直「どうですか?」

先「あれからあんまり変わってないって」

直「そうですか…」

先「本人には会えないだろうが明日にでも一度、病院に行ってみるよ」

直「俺もいいですか?」

先「うん。宇野はもちろんだがお母さんも心配だな。あれから付きっきりみたいだし…」

直「そうですね…体壊さなきゃいいんですけど」

先「だよな…。なにかやれることがいいんだが…なにも出来ないんだよな…」

直「ただ回復を祈るしかできないって苦しいですね。教え子が苦しんでるのに…」

先「なんでだろうな…」

直「何がですか?」

先「まだ未来があって、今を一生懸命生きてて、素直で真っ直ぐないい子がこんな目にあうなんて…。神も仏もあったもをじゃない…。浦田たちのときだってそうだった…」

直「拓也のことですか?」
先「拓也だってあんなにいい子だったのに、事故で…。本当に…悔しい…。担任の俺は何にもしてやれないんだ…」

直「先生…。」

先「あのときはごめんな…。拓也が死んだとき…なんにもしてやれなくて。ただ、事実しか伝えられなくて…。」

直「そんなことないですよ。俺のこと、励ましてくれたじゃないですか。立ち直らせてくれたのは担任だった立花先生ですよ。俺、今そんな立花先生と働けて、しかも立花先生の副担ができて幸せです。」

先「ありがとな。お前は昔っからいいやつだよ。ほんと、変わってない」

直「先生…」

先「明日、一緒に行こうな」

直「はい」

先「今、宇野のこと知ってるのって、西島だけか?」

直「いや…それが…」

先「でもあいつら…」

直「クリスマスから会ってないんですよ。お互いに今やるべきことを優先しようってなったみたいで。西島の試験が終るまで会わないって…」

先「そうだったのか…。確かにあいつ、勉強への力の入れかたが随分かわったもんな。そんな西島がしらないようじゃ…」

直「それが、あたえと伊藤は知ってるんですよ」

先「あたえと伊藤が!?」

直「はい。二人とも試験終わってるからあいにいったら…。」

先「そうなのか…。西島だけが知らないとはなんだか気の毒だな…」

直「そうなんですよ。でも、今はやっぱり言えなくて。宇野のお母さんも今は言わないでほしいと言ってるみたいだし、なにせ宇野自身も、お母さんにそう話していたみたいなんです。」

先「そうなのか…。宇野自身が望んでいるなら仕方ないよな…。でも、西島、試験終わって病院いって、今の状況しったらショックが大きいだろうな」

直「はい…。それが心配で。それに、今こうしている間にも宇野にもしものことがあったら…」

先「やめろよ!」

直「すみません…」

先「ごめんな…。でもどうしてもさ、20年教師やってると…。もうこれ以上教え子を失いたくないんだ…」

直「ごめんなさい…俺、なんにも…」

先「大丈夫だ。お前なら俺以上に立派な教師になれる。絶対に」

直「先生…」

実は、立花先生は浦田先生が高校3年生のときの担任だった。浦田先生の憧れでもある。強くて、熱くて、なによりも生徒を大事にする。涙など似合わない。そんな先生が目を赤く腫らせ涙をためていた。驚いたが、なんだか人間らしさを感じた。



------------------------------------------


久しぶりのリーダーの登場でした♪

今回は過去のAストと繋がってたのわかりました?
最近更新してるAストは過去の回と何気繋がってたりするんですよ。

わかったひといるかな???


でわでわ、感想まってます。

読み逃げは禁物ですよ~。