隆「今日、体調悪い?」
実「朝から貧血ぎみ…」
隆「顔色よくないもんな」
実「今は寝るときに付けたりしてるけど、もうすぐ久しぶりに一日中酸素をつけることになるかも」
隆「酸素か…」
実「サチュレーションも下がってきてるし、心臓への負担を軽減するために。嫌だな~。でも会話は出来るからいいけど、検査のときとか面倒でさ」
隆「いつ以来?」
実「中学以来かな。中学のとき入院してる間付けてたんだよね。でも小さい頃はずっと付けてたよね」
隆「そうだったなー。俺、手伝った思いであるな、ボンベを運ぶのとか」
実「だったねー。」
昔のことをふと思い出しながら窓を見た。
実「外、寒い?」
隆「うん。」
実「ずっと病室にこもってると、その季節ひとつひとつがわからなくなってくるような気がするの。冬の寒いって、寒いっていっても、どう寒いのか、風ってどういうふうに自分を包み込むのかとか。考えたことないでしょ?」
隆「うん」
実「私はいつこうやって外に出られなくなるのかわからないから、昔から外に出たときに考えるの。風の暖かさや冷たさ、音、暑さ、寒さを体で意識的に感じるの。そうするとね、自然と心が休まって、気持ちが楽になるの」
隆「感じるのか…」
実「隆弘も一度やってみなよ。そうすれば、きっと楽になって、自分に必要ななにかがわかってくるかもよ♪」
隆弘はハッとした。今、隆弘は受験が日に日に近付き、極度に緊張していた。実彩子の前では気付かれないように。意識していたが、普通に実彩子に見破られたようだ。
隆「実彩子、まさか…」
実「うーん…どうかな☆でもわかることは、隆弘ってわかりやすいッW」
実彩子はおどけながらいたずらっぽくいった。これが優しさなのだ。何気なくできる、本当の優しさに隆弘は気付いた。やっぱり、実彩子は凄い。改めて思った。
実「あのさ、あと話があるんだけど」
隆「何?」
実「私たちさ…」



続く