先「宇野のことなんだが、当分入院することになった。突然のことでみんなびっくりしていると思う。」
千「お見舞いには行けないんですか?」
先「まだ、あまり落ち着いていないからお見舞いはもっとあとにしてほしいと言っていた。だからまた落ち着いたら勉強の合間に行ってくれな」
千「・・・・・はい」
先「宇野のためにクラスで協力して宇野がいつ戻ってきても困らないようにノートとか取ってやってくれな」
生徒「はい。」
休み時間~
千「お見舞いに行きたいのになぁ」
真「せやけど、まだ行けへんからしかたないなぁ」
千「実彩子に会いたいなぁ。」
日「体育大会も一緒にでれなかったもんなぁ」
秀「そうだなぁ。早く退院してくれればいいけど・・・」
隆「大丈夫!」
日「西島?」
隆「だって実彩子だからきっと、よくなるって。実彩子に届けるノートはやくまとめようぜ」
秀「西島・・・」
隆「なんだよ」
秀「いや、なんでもない。やろうっか」
隆弘はとっても心配だった。授業に集中できたもんじゃなかった。しかし、自分もここでみんなに弱音を吐いていてはいられないと思った。あえて明るくふるまった。なによりも、今の実彩子の状態をしっているからこそ、よけいにそうなってしまう・・・。
病院~
宇野母(以下 宇・母)「ごめんなさいね、学校、忙しいと思うのに」
隆「いえ・・・・。」
宇・母「あんまり、容態は変わってないのよ。」
隆「ずっと、意識が戻ってないんですよね?」
宇・母「ええ・・・。」
ベッドの上で眠っている実彩子の手を握った。口には酸素マスクが当てられていた。
実・母「変化があったら、連絡するからね」
隆「お願いします」
実・母「隆弘くんも今大変な時期でしょ?実彩子のことは気にしないで大丈夫だから自分のことを優先していいのよ」
隆「でも…」
実・母「その気持ちだけでうれしいわ。いつも放課後来てくれてありがとう。」
隆弘は実彩子が倒れて以来、みんなには内緒でお見舞いに来ていた。実彩子のお母さんとも付き合いが長いからよくしてもらっていた。だから特別に今回もお見舞いにいかせてもらっている。隆弘は実彩子が心配で勉強どころではなかった。だから何ができるというわけでなく、ただ意識がいち早く戻ることを祈ることしかできない。
隆(早く、意識が戻ってくれ…。俺、心配すぎてなんにもみにはいらないよ…。実彩子のこと信じてるから。頑張ってくれ…。)
隆弘は実彩子に心の中で訴えた。
隆「あっ…」
病室から出ると見舞いに来ていた浦田先生がいた。
直「西島…。お前、来てたのか。」
隆「…はい。」
直「ロビーで待っててくれ。」
隆「はい…」
浦田先生は病室に入っていった。
直「西島は知ってたんだろ?宇野の心臓のこと…」
病院の中にはのベンチで浦田先生は隆弘に聞いた。
隆「はい…」
直「学校に宇野のことについて、知らせがなかった」
隆「えっ?」
直「宇野の病気なら学校への届が必要になる。中等部には届けはいっていた。だが高等部にも新規に届けをだすことになっている。お母さんにさっき届け忘れか聞いてみたが…どうも宇野自身が望んだことらしいな」
隆「…」
隆弘はそのことを知っていた。
直「どうしてかとかは聞かない。」
隆「実彩子なりに考えた結果なんですよ。」
直「あぁ…」
隆「生まれつき心臓に疾患があって、実彩子はそのことできっと俺たちにはわからないくらいたくさん悩んできたんです。だから…」
直「大丈夫だ。別に俺は宇野を責めようとなんて思ってない」
少し間をおいて、浦田先生はあることを聞いた。
直「 宇野の心臓のこと、日高たちは知ってるのか?」
隆「いえ・・・」
直「そうか・・・・。宇野はそれを望んでるんだな」
隆「はい。実彩子はただ普通の高校生になりたいんです。どこにでもいる、元気で夢と希望で光っている高校生。病気のことを知られて、同情の眼でみられることが一番いやなんです。実彩子今までもそういう経験をたくさんしてきたんですよ。だから、学校ではみんなと同じような生活を送りたい。体が弱いって思われることが一番、実彩子にとってなによりもいやなことなんです。だから、無理してまでもみんなと同じように体育も学校行事もやってきてるんです。」
直「お前も、ひとりで抱え込むなよ」
浦田先生は隆弘の肩をポンポンと叩いた。
隆弘は家に帰って、部屋に行く。いつもは参考書を広げ、勉強を始めるが、参考書を開いても集中できなかった。ついつい携帯を開き、昔、実彩子から来たメールを読み返したりしてしまう。なんだかとっても落ち着かなかった。
西島母(以下西・母)「隆弘!!」
隆弘のお母さんが急いで隆弘の部屋のドアを開けた。
つづく・・・