あっという間に男は連れて行かれ、先輩は「お手柄だったな」と俺の背中を叩いた。
秀「いえ、俺は何も…光啓のお陰です」
「そうそう、あいつ何者なんだ?」
秀「ああ…通りすがりの無職です」
光「ちょ、無職じゃねーよ!明日から浦ちゃんのとこに配属だっての!」
秀「今日は無職だろ?」
光「免許あるから無職にはならねーって」
「まあ、無職で良かった。本来なら勝手なことするな、って怒られてたな」
秀「ほんとすんません、このアホが」
光「お前…この俺をバカだのアホだの無職だの…激おこだぞ!?」
秀「勝手にぷんぷん丸しとけ」
「まあ、末吉も最後に大暴れ出来て良かったな」
俺は、先輩のその言葉にひひっかかりを覚えた。
秀「…ん?最後、に?」
「あれ、聞いてないのか?お前、明日から警視庁の何とかかんとかってとこに異動だって」
秀「ええええええ!?」
俺は盛大に大声をあげた。
そんなの聞いてねーよ!!
光「おっさん、それって『警視庁特別捜査班』ってところじゃねーの?」
「あーそうそう、確かそんな名前だったわ」
光「だったら、俺と同じ部署だ」
秀「…マジかよ」
光「うおい!そこはもっと喜べよ」
秀「俺、こいつといたら確実に殉職するわ」
光「しないしない!毎日パラダイスだから!」
秀「いーやーだー!ああ、神の御加護を…」
光「そんなん必要無いから!」
「…じゃあ、俺は先に戻ってるぞ」
秀「あっ、はい!…ほら、先輩はお前にドン引きしてるぞ」
光「がーん」
秀「絶対思ってないだろ」
光啓のやつ…変わんないな(笑)
話しながら俺は、どこか懐かしさも感じていた。
秀「そうだ、ボール返しにいかないと」
光「蹴ったの?」
秀「そうそう。あそこの公園の…いた」
俺は、ボールの持ち主らしき男の子に声を掛けた。
秀「ありがとう、君のボールのお陰でこの町が救われたよ」
光「何か言ってるよこいつー」
秀「うるさい、ほら行くぞ」
ポカンとしている男の子にもう一度「ありがとう」と言ってボールを手渡し、俺らは公園を出た。
光「…おっと、俺そろそろ時間だ」
秀「俺も、報告書仕上げるから」
光「また夜に」
秀「そうだよ、夜もこいつと一緒だわ…」
光「すっぽかすなよ!?じゃあな」
秀「はいよ」
俺と光啓は、小さく手を振り合って反対方向に歩き出した。
しばらく歩いていると、携帯電話が音を立てた。光啓だ。
秀「何だよ」
光『なあ、俺のスーツケースどこにあるか知らねえ?』
秀「知るか!!」
俺は、そのまま電話を切った。
To be continued...
もうすぐみんなそろうよー
