バベルの塔 といえば、
聖書の中に出てくるバビロニアの塔であり、
人間が天に近づこうとして、神の逆鱗に触れ、
同じ言語で話していたのにバラバラになって、
言葉が通じなくなったという話が有名だ。
タロットの大アルカナカード16番の「塔」は、
予期せぬ出来事とかハプニングを意味し、
これが逆位置になると、
パニックやピンチを意味する。
ピンチがチャンスと言うけれど、
カード一枚では、チャンスとは到底思えない。
そんな時、「バベルの塔展」を観た。
意外にも、このブリューゲルのバベルの塔には、
人間の傲慢さは、表現されておらず、
人と人が手を繋ぎ合うことで、
天にも届きそうな大きな塔を築くことができるという
可能性が表現されていた。
つまり、高い山(塔)を作るには
低い土台が必要だということだ。
人間の傲慢は、まさに上下関係でうまれる。
俺がえらい、私が凄い、
あなたがダメであると、ジャッジすることから
うまれ、諍い、戦争が起きる。
「バベルの塔展」では、
それは、聖カテリナの絵の中に表現されていた。
彼女は、エジプトの女王で、
50人を論破した才女である。
その彼女がなぜ、大きな剣を持っているのか?
あ、タロットでは小アルカナ「剣のクィーン」ね。
人間の欲は、エッチング版画の寓話の中に垣間見れる。
おどろおどろしい奇妙な生きものや
立場の高い者の強い性欲が描かれている。
「バベルの塔展」は、大阪開催の10月15日でクローズする。
21世紀に、最も重要なキーワード、仲間作り、土台作りである。
その重要さを、あなたも一枚の絵からきっと感じ取れるだろう。