この本は結末を話してしまおう。
「華子」が最後自殺する。
浴槽で手首を切り。
それで良かったと思える。
長年付き合った「健吾」の心をあっさり奪った奇妙な女、華子が「私」の家に転がり込んでくるところから話は始まり、健吾は華子に会うため度々私を訪ねてくる。
何とも居心地の悪い話だが、華子相手なら全て仕様がないことになる。
男のところへ無断に出かけ、ふらっと帰ってきてもそれは華子らしい行動なのだ。
読み終えたとき涙が止まらなかった。
それは健吾を失ったからではないし、華子が死んだからでもない。
華子の鼻歌が聞こえないことが寂しかったからだ。
“ 死にたければ死ねばいい。
けれどその言葉は決して冷たくは響かない。”