1981年7月
トラファルガースクエア
パンク文化真っ最中
面白いことを言っている人がいた、
ジョージ•カーリン
歴史における私たちの矛盾点、
それは次のようなものだ。
ビルは高くなる一方だけれど、
人の気は短くなる一方。
高速道路は広くなったけれど、
人の視野は狭くなった。
お金はじゃんじゃん使っているが、
得るものは少ない。
物は買いまくっているものの、
楽しみは少なくなるばかり。
家は大きくなったが
家族のかたちは小さくなり、
ずっと便利になったのにも関わらず、
私たちには時間が無い。
学のある者は増えたが
常識がある者はめっきり減り、
その道のプロフェッショナルと
呼ばれるやつが増える一方で
問題は一向になくならない。
薬が増えたのに、
病気がなくなる気配はない。
飲み過ぎ、吸い過ぎ、浪費に走る、
それなのにほとんど笑うことはないし、
スピードを出し過ぎるし、
すぐに怒る
夜更かしをし過ぎるあまり、
朝起きた時にはすでに疲れている
読書しなくなった分テレビばかり、
そして祈ることもめっきり少なくなった。
たくさん物を持つ、
その一方で物の価値が目減りする。
私たちはおしゃべりが過ぎる。
愛するということを滅多にしなくなって、
いつのまにか憎むことばかりが増えていった。
私たちは生計の立て方は学んだが、
生きることを学んでいないのだ。
寿命が増えただけで、
真の意味で生きてなどいない。
月まで行けるようになったというのに、
隣人とはトラブルばかり。
外側の世界を征服したところで、
私たちの内なる世界はどうなんだ?
大規模なことは成し遂げてきたけれど、
本当に善いことは未だ達成されていないだろう?
空気を洗浄したぶん魂を汚し、
原子核をも支配したが差別は一向に消えない。
たくさん書いているのに
多くを学ばず、
計画は増えたのに
成し遂げられていない。
急ぐことばかりを覚え、
待つことを忘れた。
多くの情報を抱えるべくコンピューターを作り、どんどんコピーを生みだしたが、
コミュニケーションは減る一方だ。
ファーストフードのおかげで消化は遅く、
体ばかりでかくて人格は極めて小さい。
利益利益で人間関係は希薄。
共働きで収入が増えた分離婚も増え、
見た目ばかり良い家が増えたけれど、
その中は崩壊している。
手軽な旅行に使い捨ておむつ、
モラルはなくなり、
ワンナイトラブが溢れる。
太り過ぎの体を持て余し、
死に急ぐため薬を多用する。
ショールームに物が溢れかえるなか、
倉庫は空っぽのまま。
テクノロジーはあなたの元へすぐにメッセージを届けてくれるけれど、
読むも読まないも、
また消すのだって、
今やあなたの指先ひとつですべてが決まる。
今はそういう時代なんだよ。