先斗町にはその昔
ボスの幼馴染がいた
ボスが高校3年の1年間を過ごした京都
そこで出会った
同じ歳の女の子、
吉田のみっちゃん
今から50年もの話し
喧嘩と克上げの
主謀者になってしまった
17歳の少年
故郷の進学校を退学になり
京都の進学高校に
転校してきた
見た目は柄が悪いが
お坊ちゃま育ち
本当は
克上げなんて
してなかったが
いつの間にか
主犯者になっており
弁明するのは男の恥だと
いっさい弁明しなかったら
すんなり退学
50年たった今は
毎日弁明しているけどさ
西郷隆盛さんのように
リーダーに祭り上げられて
しまった
京都に来ると
毎日が勢力争いで
緊張と喧嘩の毎日
彼には一歳年上の
同郷の兄貴分がいた
兄貴分が京都にいたからこそ
京都の高校に
転校することに
希望があった
兄貴分も彼と同じような
お坊ちゃんで
実家からの仕送りで
生活をしていたが
仕送りだけでは足りなかった
二人とも
時間はたっぷりあるのに
お金がない
生活はできるが,
遊ぶ金がない,
そこで同じ歳で
見習いをしていた
みっちゃんと
知り合いになり
みっちゃんに
貢がせることにした
貢がせると言っても
毎日のお茶代程度,
しかし、みっちゃんも
その頃はまだ見習い
お給金ももらえず
収入はお姉さん芸子さんに
もらうお花代のみ
そのお花代の500円札を
握り締め
みっちゃんは
毎日2人の待つところに
通った
一年後
男ども2人とも
東京の大学に行きましたが
夏休みには必ず京都に
帰ってきたと
夏休み、
京都に寄ってから
故郷の鹿児島に帰った
そしてみっちゃんは
芸子になり
20代の後半か
30代前半には
お茶屋のおかさんに
なっていた
1人は故郷の実家を
継ぎました
菜種油の会社
もう1人は
長男なのに
故郷で一番大きい会社を
継がないで
東京で外資と
ジョイント・ベンチャーを
設立した
その後も
3人の友情は続き
20.年前に1人が
亡くなってからは
残ったもう1人が
京都に来たときには
必ず寄っているようだ