真部少年は12歳のとき、アマ初段。

そのときぼくは15歳で、アマ3級。

千駄ヶ谷の日本将棋連盟道場で、毎週日曜日に顔を合わせていました。

はるか昔、1963年のことです。

 

『升田将棋の世界』は、第18回将棋ペンクラブ大賞の著作部門の大賞受賞作。

当時選考委員の一人だったぼくは、授賞式の会場で真部九段と再会したのです。

2006年ですから、43年ぶりのことでした。

 

式場で、少年時代の話ができたのは、本当に嬉しかったです。

でも彼は、間もなく病気で他界してしまいます。

55歳でした。

 

さようなら、真部一男九段。