第166回マルコによる福音書6

伝承では、『マルコ福音書』はラテン語を母語とするヘレニストの著者によってローマ帝国内のギリシャ語話者を対象に書かれたと考えられてきた。その理由としてユダヤ教の習慣が非ユダヤ教徒向けに解説されていること(たとえば7:1-4など)、アラム語の単語に解説がつけられていること、また他の福音書にはみられないラテン語的なギリシャ語表現が含まれていることなどであり、これらからマルコ福音書の著者はギリシャ語を外国語として用いたと考えられてきた。