第143回ゼファニア書⑧

『ゼファニヤ書』は『申命記』とも関連をもっている。『ゼファニヤ書』1章4節から6節の異教を崇拝する者の描写は、『申命記』にある、カナンの地に入る前に、神とイスラエルの民が契約を再び確認したとする記事と関連している。十戒にある「他の神を拝むなかれ」という戒めとその叛きとして同時代の状況を書き起こすことで、『ゼファニヤ書』筆者は、預言文学一般の主題である「神からの離間とそのことへの警告」を行うだけでなく、律法とイスラエルの歴史全体をふり返っているのである。