自粛中の昨今は自分のペースで過ごせている分、遠くに出かけられずとも例年より季節を感じられているように思います。

感想メモが、ひとつひとつ長くなってしまったけど...!5月に読んだ本。


『蝶々喃々』/小川糸

舞台は、谷根千。主人公の栞さんは、アンティークのお着物屋さん。季節や予定に合わせて着物を愉しむ描写にうっとり。そしてやっぱり食事がどれも美味しそう。「生きてるもん同士が出会えただけで奇跡なんじゃねぇのかい?」季節折々のどこを見ているか、大切にしているか、一緒だと嬉しくなるし、違っても面白いよね。
私は彩じゃなく"栞"という名前候補もあったらしい。だけど母が、この主人公のように"おしりちゃん"って呼ばれてしまうだろうからと却下した。

『マダム小林の優雅な生活』/小林聡美
32歳の時に書かれたエッセイ。優柔不断で断りたくてもついつい続けてしまう性格らしいのだけど、だからこそ、こうやって面白い人や出来事に出会うんだろうな。妙なシチュエーションになってる彼女が想像できるので声を出して笑ってしまう。吉本ばななさんの解説もすきー。

『夜中の薔薇』/向田邦子
"花を活けてみると、枝を矯めることがいかにむつかしいかよく判ります。(中略) その枝ぶりが、あまり上等の美しい枝ぶりといえなくとも、人はその枝ぶりを活かして、それなりに生きてゆくほうが本当なのではないか、と思ったのです。"

『BUTTER』/柚木麻子
お友達からお借りした本。読み始めたら止まらなくて、眠ることも忘れグイグイ読んでしまった。
様々な女性たちの生き方。くっきりと絵が浮かぶ細やかな描写のおかげで、ゾッとしたりお腹をグゥと鳴らしてみたり臨場感たっぷりでページをめくる。お料理教室のみなさんのお互いのプライベートは知らず、苦手な食材やナッペができるかどうかデパ地下はどこが好きかとかそういう断片みたいなことが自分たちにとっては何より大切なプロフィールというスタンス好きだなぁ。
フェミニストとマーガリンを嫌悪するカジマナは、実在する事件の犯人を参考にしていると後から知る。その犯人の獄中ブログなるものも読んでしまいました...。なんか濃ゆかった...。

『ぼけますから、よろしくお願いします。』
/信友直子
アマゾンプライムで同タイトルのドキュメンタリー映画を観て、本も気になりネットで注文。
85歳で認知症診断が出た母と、93歳で初の家事に挑む父。映像ディレクターの娘さんが撮影と執筆をされたもの。
"自分がおかしくなってきたことは、本人が一番わかっている"
"親の愛に気づけたのは、母が認知症になったから。そう思うと神様がくれたギフトなのかもしれない.....。"
より一層、日々を大事にしたくなりました。そして老いや死について考え続けるきっかけをまた一つ貰いました。なるほど...が詰まってた!

『ファミリーツリー』/小川糸
お友達からのお手紙に良かったと書いてあったのでメルカリでゲット。
そうしたら地元の西国分寺が舞台になるし、主人公の名前が弟と一緒だしで運命感じる。私も彼らみたいに安曇野でサイクリングしたい!ひとつひとつが透明色で、切なく眩しい。

『大人失格』/松尾スズキ
再読。著者初のエッセイ。ちょっとした言い回しがおかしくて、ニヤニヤしてしまう。軽やかな文章すき。

『そして生活はつづく』/星野源
再読。"つまらない毎日の生活をおもしろがる"がテーマのエッセイ。著者が過労で倒れた時に、母ようこちゃんが掛けた "あんた、生活嫌いだからね。掃除とか洗濯とかそういう毎日の地味な生活を大事にしないでしょあんた。だからそういうことになるの" って言葉が初めて読んだ5年前くらいにズシンと来て生活を見直すきっかけになったんだよな。今この時期に読むのもまた良かった。

『哀しい予感』/吉本ばなな
あぁ...ことばが、世界が、美しい!!美味しくてお高いチョコレートをちびちびご褒美に食べてる感じ。雨の日に読むのが最高でした。フルーツカレー食べてみたい!

『きれいな色とことば』/おーなり由子
ジャケ書いしたのにずっと読まずにいたんだけど、不思議なもので自分にとって今がちょうど良い読み頃だった!
からだじゅうを夏にするお話、紅茶教室のお話、特に気に入って何回も繰り返し読む。
"見えないものは、知らん顔していたって、はいりこんでくるから、たまには心のことなんか、忘れているのがいいのです。"
生まれてきたこの世界に色というものがあって良かったという著者のイラストと色遣いがとっても素敵で愛らしくて、ずっと見ていたくなる。

『キッチン』/吉本ばなな
再々読。久しぶりに読んだら、ぜんぜん感じ方が変わってた!やっぱりとってもとっても好きだった。お茶を一緒に飲む時間って特別だよね。お家でも喫茶店でも。生と死と心と食の結びつき。まんまと影響を受け、読み終えた翌日のお昼ご飯はスーパーで買ったカツ丼を食べました。