対談の名手と言われた向田邦子が、 黒柳徹子、森繁久彌、久世光彦らと語った傑作対談集。
テレビと小説、食やおしゃれ、男の品定めまで、 親しかった友人、仲間たちと本音の話が楽しい一冊。
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登場する人物がチャーミングで、出てくるお料理がとにかく美味しそうな、向田邦子さんの小説が好きで。
どんな方だったんだろうな、と手に取った本。
ガンだと医者に診断された時に、頼んでいた大型冷蔵庫が届いてしまい、買い置きのハムが腐っちゃうから古い冷蔵庫から移しかえたというエピソード、飾り気なくもユーモアたっぷりに話す彼女にとても親近感が湧きました。
そして、向田さんは、対談相手によって雰囲気がガラリと変わるんだなぁと、それが読んでいて面白かった。
話していることは一本筋が通っていて、とてもハッキリしていて、凛としていて。
でもその中に、どこまでも謙虚な姿勢や、諦めているようなのに実は割り切れていない感じが見受けられて、それを対談相手によって、ちょっと見せたり、キュッと見せなかったり。
人に読まれるものだからここで話せることしか話していないと言いながら、とても正直な人なんだろうなぁ、と、だから亡くなって35年経ってから出た本なのに、古臭さを感じず、今そこで喋っているように感じられる言葉たちなんだろうなぁと思いました。
「人」と「人」との関係性が感じられる対談って、物語があって、好き。
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そう、普段も「人」と「人」の関係性や会話を見ているのが、とても好きです。
先日、お祝いの席に参列させて頂いた。
そこには、招待してくれた新郎と出会うきっかけになった公演、その団体の代表お二人も来ていて、私は恐れ多くも三人で一緒の席に座らせて頂くことに。
共同主催で団体をやられているお二人は、それぞれの脚本演出作品をオムニバスでお届けするスタイルで公演をされています。
「須藤が来るまで本当に会話がなかった。最近、次回公演のミーティングやらなんやらで毎日会っているし飽き飽きしている」と笑う二人を見て、なんだか熟年夫婦みたいだなぁと思ってしまった。両者とも男性なんだけど。
お二人はお互いの作品や芸に厳しく、ハッキリ相手にそれを伝えていて、なんていうか潔くて気持ちが良いなといつも思う。
この日も、そのうちのお一人が余興で書き下ろしの落語を披露していたのだけど、
それを見ていたもうお一方は、
「いや〜ちょっと長かったかなぁ。一般の人には分かりづらいしなぁ...」と余興にも関わらず、辛口な評を。
私は、あっぱれ!な気持ちだった。
どんな時でも芸に真摯で素晴らしいというのはモチロンなんだけど、
その落語で一番大笑いをしていたのは、その辛口コメントをしていた方だったから。
「多分あの落語で、〜ということが表現したかったんだろうけどねぇ」という解説付き。
あっぱれ!!
結婚式へ招かれるたびに、新郎新婦このお二人が出逢えて良かったなぁ...といつも勝手に感動してしまう。
そしてこの日私は、代表お二人に対してもそう思いました。
多分お二人は、そんなことない!と、言うだろうし、
もちろん私には分からない時間や、大変なことが沢山あるんだろうけど。
病めるときも、健やかなるときも〜
新郎新婦と、お二人の、末永い幸せを私はこっそり祈ったのでした。
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【お茶をどうぞ】を読むと、その関係性や距離感の面白さを知る。
ふだん私たちも意識なく使い分けている、貴女だから私はこう話せる、貴方だからこの話をしてしまうという感覚。会話って面白い。
リアルタイムでドラマが見たかったなぁ。
向田邦子さんが好きな方にオススメの一冊です。
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追伸: こちらの結婚式当日の朝に携帯電話を紛失し、新郎新婦やお料理のお写真など一枚も撮れなかったという残念さ。。
しかし夕方に交番へ行くと、道に落ちていました、謝礼は入りません、と拾って届けてくれた方がいたそうな。。
なんて良い人なんだ...。
そして、道に落とすって何なんだ...。
あっぱれ!!!
