同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。
山あいのふるさとに戻った倫子は、
一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない、小さな食堂をはじめる。
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なんでだろう、無償に食べ物が出てくるお話が読みたくなるときがある。
文字で表現されている料理って、
あたたかくって、どきどきして、とっても幸せな気持ちにしてくれる。
主人公の倫子は、お客様の好みはもちろん、置かれている状況、その日の体調など、食べてくれる人を〈想って〉メニューを考え、手間暇かけて下準備をし、丁寧に調理をする。
どれもこれも奇をてらった料理ではないのだけれど、
この〈想う〉というスパイスが、身体に心に効くのだろう。
食べた人たちに奇跡をたくさんおこしてくれる。
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わたしは食べることが本当に好きだ。
一度きりの人生、食事ができる回数も限られているのだから、どうせなら美味しいと思うものを楽しく食べたい。
それに、元気がないとき美味しいものを食べるとパワーが漲る。
それって、料理を作ってくれた人の〈想い〉が伝わるからなんだろうなぁと、このお話を読んであらためて思った。
小さい頃のできごと、
友達や好きな人や家族との想い出、
香りや音楽で覚えている人も多いと思う。
わたしは圧倒的に食べ物。
だから、よ〜しあのとき感動したあれを食べるぞ〜と意気込むことも多いのだけど、ん?となることも同じくらい多い。
よく行った中華料理屋さん、
あのとき作ってもらったあの味、
とっておきだったmy創作料理。。
ん??
腕が落ちたのか?
シチュエーションや一緒に食べる相手が違うから?
んーむ。
変わったんだな。
日々、変わってるんだな。
お店も、街も、あなたも、わたしも!
そして、変わることは哀しいことではないよね、時は流れてるんだもの当たり前だよ。
でも過ごした時は消えないからね。
忘れない。忘れられない。
それも当たり前だ。
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【食堂かたつむり】を読むと、
食べることは、生きること。
生きることは、想い想われることだなぁと感じます。
人には食事の数だけ、思い思いのストーリーがありますな。
素直な気持ちになりたいとき、
あったかいゆったりとした空気に触れたいときにオススメな一冊です。
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追伸: 少し前にタコ焼きパーティーなるものをしました。
美味しくできて、チーズを入れたり明太子入れたりアレンジも。
最終戦として、ホットケーキミックスにソーセージやチョコを入れて焼こう、と。納豆もあるから入れてみよう、と。
料理ね、好きだよ!できなくないよ!?
....うぅ。
モノより思い出。

