{508AFAAC-8349-40CB-94FF-4D738881FBE8}

40歳を目前に離婚した「私」と、
身寄りをすべてなくしたばかりの、いとこのちどり。
イギリス西端の田舎町を女二人で旅するうち、魔法にかけられたような時間が訪れる。



すべて出てくる食べ物が美味しそう。

イギリスのホテルの典型的な朝食も、
クロテッドクリームとジャムで食べるスコーンも、
野菜たっぷりのタイ料理も、
ギネスビールも、味が濃いポテトフライも、ぜんぶ、ぜんぶ、とっても特別なものに思えてくる。


なんてことない普通のもの、こと、なのに特別なものにみえるとき、それは輝かしい想い出というエッセンスが含まれているから、そうみえるんだろうなぁと思う。


小さい頃に毎年夏になると家族旅行で行っていた館山のペンションで出してくれるオレンジジュースは、普段飲むバイヤリースとは違って特別な、大人になったような味がした。

ダンスの仲間とニューヨークに行った時に食べたデリのパスタは、なんだそれと思われるかもしれないけど、何だか自力した味がしたし、

親友と行った食っちゃ寝の沖縄旅行で食べた料理は全て自由の味がした気がした。


この物語の食事風景を読むと、主人公たちの気持ちが全て分かったような気になる。

旅行をする時に食事はとっても大切な一つだけど、それは今の自分の気分、気持ちを代弁してくれる一つだからなのかな。




この物語の中で、いとこ同士が、
次は、~へ旅をしよう。なんていうなんてことない約束をして
「近い未来の話っていいね」と言う場面がある。

「描いていたものがずたずたに壊れても、生きていれば何かが変わっていく。

実際に実現したらもしかして大して楽しくないことかもしれない。

それでも、描いた未来は小さな希望のかけらに違いなかった。」


この場面が今の自分になんだかしっくりきて、救われた気になった。





【スナックちどり】を読むと、
悲しみを癒す方法は、人に寄りかかることではなく、人と寄り添うことだなぁと思わせてくれる。

ちょっとくたびれたなぁという時に、この物語の優しさに包まれてほしいYO!

な、一冊です。



追伸:
わたくし極度の貧血でして、最近はレバーをたくさん食べています。
それがね、自分でホント?と思うくらい食べた直後からパワーが漲るのです。
そう、ナロンエース飲んだ瞬間から頭痛がなくなるタイプです。

ってなわけで、スナックあやは、
法に引っかからないようなんかウマイやり方で、レバ刺しを出します。よろしゅう!