目が覚めると
隣には君が居なくて
ぬくもりだけが残ったまま
窓の外には
真っ白な景色が広がる
いつもの町並みが
白く染まっているだけの景色
冷凍庫の中には
雪だるま
残していくものが
少なすぎるよ
触れたら消えるもの
そんなものを信じて
何を望む
手のひらに舞い落ちた
白いもの
一瞬で遠ざかった
飲めないコーヒーを
淹れるのが
私の日課
今日は私が飲むために
いつもは影になる
いつもの場所に
直接陽が当たる
雪だるまは
しぼんでいく
触れることが
いけないことだと
知らなかった
当たり前が
そうじゃなくなるときが
こんなに早いと思わなかった
いつか交わした約束を
忘れてしまった
風が吹く
鳥が飛んでいく
日が沈む
もう寝よう
明日も早い
隣には
何も無くて
窓の外には
月明かりに照らされた
解けて残った雪
なれない温度
聞き慣れた音
いつものぬくもりが戻ってきた