AA森町教室劇場
A君:先生、原子と分子の違いを教えてください。
B君:それくらい、教科書にちゃんと書いてあるだろう。つまらないこと聞くなよ。
先生:まあまあ、わからないことをわからないと言うのは、大切なことだよ。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」なんて言葉もあるからね。
とりあえず、まずは教科書を読んでみようか。
原子 物質を作る最小の粒。
特徴① 原子の種類によって、大きさや質量が決まっている。
特徴② 化学変化によって、それ以上分けることができない。
特徴③ 化学変化によって、新しく出来たり、なくなったり、他の原子に変わったりしない。
分子 物質の性質を示す最小の粒子。いくつかの原子が結びついて出来ている。
B君:これを覚えればいいんだから、楽勝だろ。
A君:う~ん。でも、分子の説明で「物質の性質を示す最小の粒子」のところがよくわからなくて。
先生:なるほど。じゃあ、こう考えてみよう。原子は部品。分子は、部品を組み合わせて作った商品だ。
例えば、ここに自転車がある。自転車はハンドル、サドル、ペダル、車輪などのたくさんの部品に分けることができるよね。でも、この自転車から、車輪を取り除いたとき、A君はこの自転車を自転車として使うことができるかい?
A君:いや、車輪のない自転車って……どれだけペダルをこいでも、前に進みませんよね。
先生:そう、必要な部品が一つでも欠けると、自転車は完成しない。じつは、分子も同じなんだ。
水は2つの水素原子と1つの酸素原子が結びついて、分子を作っている。なにか一つでも、足りない原子があれば、水分子は完成しない。
B君:なるほどね。あ、逆に、余分な原子があったらどうなるの。
先生:逆に先生から質問です。自転車に車輪を3つ付けたものは、自転車と呼べるでしょうか?
B君:無理。それは自転車じゃなくて、三輪車だ。
先生:その通り。分子を作るのに必要な、原子の種類と個数は決まっている。
A君:なるほど。わかった気がします。
先生:おっと、わかった気がするというのが、実は一番危ない。
「生兵法は怪我の元」というからね。
A君:(これがなければ良い先生なんだけどな)
先生:2人に質問。酸素の性質はどんなものだった。
B君:え~と、確か「物質の燃焼をたすける働きをする」だったかな。
先生:正解。じゃあ、酸素分子はどんな原子でつくられている?
B君:O2だから、2つの酸素原子。
先生:よく勉強しているね。つまり、酸素が酸素としての役割を果たすためには、酸素原子が2つ結びついて、酸素分子をつくった状態じゃないといけない。では、次に酸素原子が3つ結びついて、一つの分子をつくった場合、この分子はなんという名前になると思う。
B君:え~、そんなの学校で教わってないから、知らない。
A君:僕もわかりません。
先生:答えは「オゾン」だ。
B君:あ、それはなんか聞いたことがある。
A君:たしか、環境破壊でオゾンに穴が開いたとか、ありましたよね。
先生:そう、そのオゾンだよ。オゾンも普通の酸素と同じく、酸素原子からできている。なのに、分子を構成する原子の数が違うと、まったく別の性質と名前を持つことになるんだ。
B君:わかった。さっき言っていた、「自転車と三輪車の関係」だな。
先生:その通り。とりあえず、原子と分子の基本はこれで理解できたと思う。
というわけで、小テストだ。
B君:うわっ、先生、それはヒドイ! 鬼だ!
先生:理解とテストで点が取れることはイコールじゃないからね。きちんとテスト問題にも慣れておこう。
小テスト
① 物質を作る最小の粒をなんというか。
② ①は現在、何種類ぐらい見つかっているか。次のア~ウから選び、記号で答えよ。
ア 10種類ぐらい イ 100種類ぐらい ウ 1000種類ぐらい
③ 以下の文は①の性質を説明したものである。( )に当てはまる語句を選べ。
それ以上分けることが(できる・できない)。
化学変化によって、新しく(できる・できない)。
勝手に(なくなる・なくならない)。
他の種類のものに、(変わる・変わらない)
④ ( )に当てはまる語句を書け。
①は、種類によって大きさや( )が決まっている。
⑤ 物質の性質を示す最小の粒をなんというか。
A君:……小テスト、これで終わりですか。
先生:長くなったけど、内容はほとんど進んでないからね。
B君:たぶん、日本一わかりやすくて、日本一回りくどい授業だよな。