体外受精に向けて頻繁にクリニックへ通い、ついに採卵の日が
決まった。
「○月○日、採卵しましょう。」
先生にそう告げられたけど、なんせ初の経験。
あまりイメージがわかない。
看護師さんから、当日の注意事項の説明を受けたが
今ひとつピンとこない。
以前、不妊治療説明会では『麻酔使用』って言ってたはず。
術後はどうなんだろう?
でも、すこし休憩してから診察して帰るって言ってたから
まー大丈夫でしょう。
あえてネット検索などして詳細を調べる事はしなかった。
そしていよいよ採卵日当日…
渡された手術着(?)に着替えて、点滴をして、
少ししてから手術台へ移動。
足を固定されて、先生が来るまで看護師さんち雑談。
「あんこさん、○○へお住まいなのね!
遠くて大変ね。○○ってXXがあるとこよね!!
ここまでは、どういう経路でいらしているの?」
なんて会話をしていると、別の看護師さんも入ってきて
「あら、○○ね。行ったことあるわ。」
なんて和やかムードな会話が繰り広げられたりしていた。
和やかムードはいいのだけど、下半身もろ露出で、大股広げてる
あんこは、同性であろうとやっぱりはずかしい。
普段、先生とはカーテン越しの会話だから、なんとなく
おっ広げた状態に羞恥心を感じなくなってしまっていたけど
薄明かりの中でもその格好は、恥ずかしかった。
ちなみに手術室が暗いのは、採卵した卵にストレスを与えない
ようにする為とか…。
看護師2名+あんこの3人で和やかタイムをしていると
準備の整った先生と、あと何人かが入ってきた。
「あんこさん、これから始めますね。眼を閉じて下さい。」
眼を閉じたらすぐに、あんこはすごい勢いで別世界へ飲み込まれ
行った。
それはそれは、今までの人生で経験したことのない奇妙な世界だった。
