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平成29年8月2日5時48分、何とか積み荷を無事に終え、ニューオーリンズの積み荷岸壁を出港。


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本船と代わって積み荷を行う、Kラインのパナマックス船とすれ違う。

新人の操舵手は、おっかなびっくり舵を切っているが、なんとかこなしているようだ。


ここから先6キロほど下流には、ほぼUターンとなるような急なカーブがあり、そこは全速で突っ切らないと舵が効かなくてかえって危険なのだが、なんと冷却海水が揚がらなくてエンジンの回転が上げられないと機関室から連絡が!

取りあえず、出航の時ついていたタグボートを呼んだりとバタバタしていたら、そのうち水が揚がるようになったとのことでホットひと安心。


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落ち着いたところで朝食。

ジャガイモのお好み焼き、目玉焼き、ウインナー、コーン、サラダ、みそ汁。

コーンが食べずらい(T_T)


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サンフランシスコ農場。

なんでも「スチームボートゴシック」という建築様式で1857年の建築らしいです。

http://www.sanfranciscoplantation.org/

ただ残念なことに、建築主のエドモンドさんが亡くなった、1年後に完成したそうです。


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ヒューイ P ロング橋。

左右非対称の面白い形をしていますが、車と鉄道の橋で1835年架橋。


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次がニューオーリンズの街にかかる「クレセントシティコネクション橋」。

ここから約180km下流の河口までに橋は無く、渡し船で対岸に渡ります。


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ニューオーリンズの街を越えた所で、パイロット交代、そして昼になったので昼食。

白ごま担々麺とねぎ乗せトンカツ。


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川岸で沈んでいるはしけを発見!


しかし、人の心配をしている場合ではありませんでした。

一等航海士から「右の3番海水タンクに水が60トン漏れて入っています」と報告が来た。

確かに少し右に傾いているようだ。

昨年12月の乗船当初から、3番右のバルブの調子が悪いので、たまに漏れることがあると引継ぎを受けていた。

カリブ海に出てから、後ろの海水タンクを満タンにし、船を後ろのめりにさせて3番右の海水を抜き出すことにするが、うまくいくか(ドキドキ)。


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なんと、通り過ぎたはずのニューオーリンズの街が、目の前に見えています。


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これがその現場の電子海図で、左が上流、下が下流、真ん中下のまっすぐな線が出ているのが本船です。

見た通り、川がほぼ180度曲がっているので、上流の景色が前に見えているのでした。


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ここを通るたびに思い出すのが、安藤広重の東海道53次「吉原左富士」。

江戸から京都に行く途中、富士山は常に右に見えていますが、静岡県の吉原で道が屈曲している部分があり、ここでは左に見えるのです!

なんて、あんまり船と関係ないけど、つい個人的な趣味でコーフンしてしまった(汗)。


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まだ明るいうちに河口を通過、19時35分水先人下船。

河口は流れが複雑で、時折座礁事故なども起こる難所。

新人操舵手の当直時間となりましたが、すっかり慣れてガンガンあて舵を取り、船を安定して進ませているので、1人前認定です。


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19時42分、機関室に「ここからは全速前進固定で行きますよー(ラングアップエンジン)」と連絡して、出航報告を各所にしてから、お楽しみの晩酌。

色々なことがあったけど、なんとか無事に積み荷と川下りを終わったので、大きな安ど感に包まれて最高の気分です。