平成29年7月20日夜、パナマ運河をカリブ海に抜け、ニューオーリンズを目指して北上。
いつものことながら、パナマの北は東風が吹いているのでグラグラと揺れる。
夜中に、冷蔵庫の中の物がガチャガチャと動き出し、どっかから皿の割れる音が聞こえたりして目を覚ます。
船乗り最悪の目覚めパターン。
船底に潜ってチェックをしていた一等航海士が「船底の補強材に亀裂がある」と報告してきた。
運航会社と打ち合わせをして、なんとか船側で応急修理をすることに。
機関長が音頭を取って、亀裂の末端にこれ以上広がらないよう穴をあけ(応力を分散させる)、亀裂個所にガウジング溶接(亀裂を傘型に削ってから溶接)を施す。
初めて聞いたことばっかりだけど、すごい技術!
コックさんも乗船7か月になり、最初はおかしかった日本食も、指導の甲斐あって完ぺきにできるようになってきた。
2週間に1回位出てくるカレー。
ルーは、むかし千葉真一がCMに出ていたジャワカレーです。
7月24日18時40分、ミシシッピー川河口にて、水先案内人2名乗船。
一人は研修中のキュートな女性。
「操船させていいか」と教官役に聞かれたので「いいよ」と答えるが、河口は川の流れが速く、結構ふらふらとして怖かった。
人工衛星通信装置(インマルサット)がついた、ものすごくリッチなクルーザーが追い越していく。
今回ニューオーリンズ近くの錨地が一杯だったので、20キロほど下流に錨を下して停泊、入国審査や積み荷スペースの検査を受けることになった。
水先人が「これアメリカで有名なものすごく古いお菓子なんだ」と言ってくれたキャンディー。
今調べたら、1914年からあるそうです。
ピーナッツバターのやさしい味で美味しかった。
翌日、ニューオーリンズ近くの錨地に移動して燃料を補給し、翌々日の26日、積み荷待機錨地まで移動。
これはニューオーリンズの街から少し行ったところにある、火力発電所の廃墟。
なんとエジソンが設計して1885年に完成し、1984年まで操業していたとのこと。
その煙突の一番てっぺんにいたずら書きがありました!
度胸試しにしても、腐っている恐れのある梯子を登っていくなんて怖すぎ。
ちなみに中はこんな感じです、廃墟萌え~。
https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:NOPSI_Power_Plant,_South_Peters_Street,_New_Orleans
ニューオーリンズ国際空港(ルイアームストロング空港)近くを航行中にブリッジで昼食。
今日は白ごまつけ麺と唐揚げです。
自分はラー油をドボドボと入れ、坦々つけ麺にするのが好きでした。
水先人の許可を取って、広い所で甲板員にかじ取りの練習をさせる。
頭のいい男で、すぐにコツを飲み込んで上手に舵を取っていました。
双眼鏡を覗いているのは、真面目な二等航海士。
16時15分、前回から300メートルほど下流にアンカー。
今回は5日ほど待つ予定なので、余裕があります。