八戸出港時に「あれっ?」と思ったのですが、電子海図やレーダーに、他の船の情報が出ませんでした。

ただ、防波堤に近づいてしまったり、いろいろと忙しくすっかり忘れていましたが、一か月かかる太平洋横断中に、ふと思い出して航海士に聞くと、やはり出てこないとのこと。



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他の船の情報は”AIS”(船舶自動識別装置)という機器で得ます。

それで知った船名、針路、速度、行先などの情報を、他の機器にも表示させる仕組みになっています。



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これは、パナマのバルボア錨地に進入するときの電子海図の表示で、黄色の線が自分の進路、矢印が現在の位置、白い三角が他の船、点線が他の船の航跡を表しています。

これは、AISを直した後なのですが、もし壊れているとこの白い三角や、他船の航跡などが出ないただの海図になってしまう。


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電子海図に個別にこのように船名を表示させることも可能で、レーダーでも同じことができます。

以前は、このような他船の名前を知る方法が無かったので、無線を使って「XX灯台から何度、何海里を走っている、船体青色の船何丸ですかー?」などと問いかけ、交信し自分が右に避けるとか、こっち漁船がいるからそっちが避けてくれないか、などとやっていました。

ただし、皆が無線に出てくれるわけではなく「そっちで勝手に避けろ」とばかりに、無線の呼びかけを無視する船がいたりして大変だったのですが、AISができたおかげで直接船名を知ったり、遠くから錨地の混み具合を確認することができるようになり便利になったのですが、逆に壊れてしまうとものすごく不便です。


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本社を通して、この機械を製造しているメーカーや、本船のメンテナンスを担当している会社とやり取りした結果、AISから各機器に情報を伝達しているターミナルがおかしいのでは、ということになり機関長が調べたところ、なんと配線がむき出しになっている箇所が!

ここを一度外して、きれいに束ね再接続したところ、うまく表示されるようになって、ほっと一安心。


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機器の異常があったりすると、自分は責任者なので忙しくなる。

それ以外は、メールをしたり、デッキを散歩して整備しなくてはいけない個所をチェックしたりする。


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乗組員は、時化で延び延びになっていた、貨物倉の洗浄作業。

まず掃き掃除をして、次に海水、清水の順に水で流す。


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その後、汚く見えるところを塗装。

はしごで登っているけど、かなりの高さです。


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荷物を積むと整備できない、ハッチ蓋の縁を整備しています。

まず、錆びたところを叩いて錆を落とし、現在赤い錆止め塗料を塗装中。

乾いたら、仕上げ塗装。


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一番前にある倉庫で、錆びて腐ったバーベキューグリルを見つけました。

しばらくバーベキューパーティーをやっていない様子ですが、自分が好きなので、捨てて新しく作るように指示。