前回、内航船の話が少し出たついでに、自分が乗船していた内航セメント船を少し紹介します。

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なんとか2級海技士の筆記試験に合格し、30歳過ぎて晴れて大型商船に初乗船。
これが、乗船したセメント運搬船。

3級海技士の口述試験を受けるため、総トン数の大きなセメント船か、自動車運搬船に乗りたかったので(免許を受けるには定められた大きさ&航行区域の船に一定期間乗らなくてはならない)、とてもうれしかったが、実際に船を目の当たりにすると、甲板上の機械の多さに「果たしてやっていけるのだろうか?」と不安になった。

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5月の姫川港(新潟県糸魚川市)。
右も左もわからないものの、優しい先輩?の指示を受けて、全力でデッキを走り回っていた時代。

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自分のキャビンはこんな感じ。
テレビは、優しくしてくれた船長がくれた。
チャンネルをガチャガチャ回して変えるのが懐かしい。

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机、流し、ロッカー、ベッド、椅子のみの部屋だが、同じキャビンで3年半過ごすことになるとは、このときは予想だにしなかった。

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こんな感じで、甲板上には積み荷、揚げ荷のための設備が多い。
セメントは、積む時も上げる時も、空気と混ぜて圧送するので、どうしても機械が多くなる。

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自分のメインの仕事は、航海当直補助(見張り員)、出入港作業、そして船体整備作業。
昼間は、だいたい甲板上の錆打ち、ペンキ塗り作業。
毎日、真っ黒になりながら、整備作業を3年間に渡って行いました。

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大汗をかいた作業の後に飲むビールは、格別にうまい。
自分のキャビン後ろの甲板にあるベンチレーターが、丁度イスとテーブルのようになっていて、そこで海を見ながら飲むのが気分爽快でした。