井口奈己監督 永作博美、松山ケンイチ出演
井口監督の作品を見るのは初めてでした。
冒頭から10分程のところの、トラックの荷台に乗った永作と松山が笑いあうシーンが印象的。
ただ、風船や「息を吹き込む」という行為、
随所に「追求してくれ!」といわんばかりに散りばめられた黄色と水色…
なんだか思わせぶりすぎて(その割にうまく働いていないような…)目に付いた。
やるならやるでもっとさりげなく、効果的に匂わせればいいものを、
どうも何がしたいのかよく分からなかった。
特に黄色と水色という色の使い方はかなり謎で、
最初 永作=黄色、松山=水色 かと思っていたのだけれど違うのかしら。
どうなのかしら。そういう風に使いたいんじゃないのかしら。
最後を字幕で終わらしてしまうという手法も個人的にはあまり好きではない。
出演者も、永作はものすごく良いのだけれど、
松山ケンイチって人はああいう恋愛映画には向かないなぁ…と思う。
演技にクセがあって、印象が強すぎる。もっとさらりとこなして欲しいところ。
きっと彼の甘えたような声や仕草が「年上に恋をする童貞少年」ってところで
評価されてキャスティングされたのだろうけれど、
普段の時とカップルでいちゃついている時が平坦に地続き。メリハリがない。
いや…松山ケンイチは大好きです。
ラブシーンとかキュンっってしたんだけれどそれでもこの映画の主演俳優としては…さ。
この映画を観て「いい役者なんだ!」と初めて意識した忍成修吾。
いつも演技がわざとらしくて性格悪そうで嫌いだったのだけれど、
今回のこの役はすっごくいいですね!
最後の場面とか素晴らしい!さりげない!
フィッシュマンズ好きとしては音楽も懐かしくて嬉しかった。