昨日、母屋に行ったら、奥の部屋からウィーン、と音がしていた。
なんだろう?・・娘を抱っこして奥に向かう。そこはばあばのお部屋。ばあばの部屋はいつも扉があけっぴろげ。ばあばらしいと、あたしはいつも思う(笑)。
見るとばあばの前には、昭和の香り漂う、一台のミシン。
あたしの目は一瞬でハートマーク♪
よく磨かれた黒いボディーに真鍮の銀色部分がピカピカ輝いてとっても素敵。細部に四葉のクローバーがぽちっとデザインされている。
綺麗だな~:♪*:・(^-^)・:*:♪
思わずばあばに、
あたし:『このミシン、どうしたんですか?』
と、尋ねていた。
ばあば:『あー、これ?これはあたしが中学卒業する時に買ってもらったんだよ。高校じゃなくて、洋裁学校に入るように言われてたからね。』
と、言う事は・・・?
あたし:『これって結構年数経ってますよね?』
ばあば:『そりゃそうだよ。だってあたしが中学卒業だもん。もうかれこれ55.6年は経ってるよ。』
これだけ物があふれている時代。ミシンだってへたすりゃ1万円台で買えてしまうだろう。
でも、ばあばは最新のは使いこなせないから、あたしにはこれがちょうどいいんだよ、と言いながら、古着のワイシャツの袖部分を肘の辺りから切り、そこをぬってゴムを入れる作業をしている。
その袖は、農作業の時のアームカバー代りにするんだそうだ。
モーターをウィンウィン動かしながら、ばあばは続けた。
ばあば:『戦争が終わって、まだまだ大変な時期だったから、じいさん(ばあばのお父様の事)が、女も手に職をつけなくちゃって、洋裁学校に通わせてくれたんだよ。って言うより、農家の女はだいたい洋裁学校に入れられたんだけどねぇ。その時に買ってくれたの。でも、これ既製品だからたいしていい奴じゃないんだけどね。買った当初は足踏みだったんだけど、だんだん使えなくなっちゃって、モーターをつけてもらって電動にしてもらったんだよ。その方が楽だし。こんなの使ってる人なんているのかね、恥ずかしいね・・・。』
恥ずかしいものですか。ばあば、あなたは素敵ですよ♪
よくよく見れば、ばあばの周りには歴史を感じさせるものばかりで溢れている。嫁入りの時にもってきた、桐のタンス・当時まだまだ貴重だったであろう、洗濯機に付属でついていた金タライ(どちらも49年物。洗濯機はさすがにもう壊れたけどね)・30年物の芝刈り機・・・等々。
そして一番古いのは、なんといっても現在の住まい。
関東大震災でも倒れなかった、というのが自慢の家。百年近く建っているらしい。(これはじいじの自慢だけどね)
昔の人は、本当に良い物を作っていたんだな・・・と改めて実感。きっと自分が作ったものに誇りと自信を持っていたに違いない。
そして、こんな古き良き物に囲まれている今のあたしって、案外幸せかも、と思えた。
それと同時に、責任感ももたなくちゃ、と、身の引き締まる思い。
(娘が大きくなったら、娘にミシン使わせて下さいね・・・。あ、でもあたしはダメです。だって、あたし、自慢じゃないけど家庭科『2』だから・・・エヘヘ(^▽^;)。)
なんて事を心に思いながら、作業し終わった後のミシンについた手垢を、錆び止めの油をつけた布巾で丁寧に丁寧に拭うばあばの横顔を見つめていました。
↑ ↑ ↑
ばあばの大事なミシン。
あたしも50年後まで大事にできるような物、今から探してみます・・・。
