【ぴいぷる】二宮和也、全部出し切る大人の味 スパイスはスタッフへの感謝、隠し味はゲーム「とっぴな芝居も入りやすくなる」



 国民的アイドルグループ、嵐のメンバー。昨年は映画「母と暮せば」(山田洋次監督)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど、抜群の演技力を持つ。

 「今は『嫌われてもいいから、良いものを作ろう』と思えるようになりましたね。『もう全部出し切ったから、これが最後でも悔いがない!』という作品にしようと」

 そこには大人になったからこその思いもある。

 「これから先、どうなるかなんて分からない。急に死んじゃうことだってあるかもしれない。自分がやり切っていないものが遺作にでもなってしまったら、地縛霊みたいになっちゃいますよね(笑)。そうならないためにも、やりきりたいです」

 11月3日から主演映画「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」(滝田洋二郎監督)が公開される。絶対味覚=麒麟の舌を持つ佐々木充(二宮)は、第二次大戦中に天才料理人、山形直太朗(西島秀俊)が完成させた究極の料理を甦らせてほしいと中国料理界の重鎮から依頼される。直太朗は“最後の一皿”に何を託したのか。

 「いろいろな年代、価値観、経験値がある中でも、人の温かさを感じる温度って、そんなにズレがないと思うんです。疲れているときこそ、温かさが染みる映画になっていると思うので、ぜひ見ていただきたいです」

 充の幼なじみの役を演じたのは、普段から仲の良い綾野剛だ。

 「剛ちゃんと共演でよかったです。監督が『2人でいる空気感が友達以上で兄弟にも見えるから、それがそのまま出るといいよね』と言ってくださったので、普段と変わらない感じでやりました」

 現場では、監督のどんな指示にも「No」は言わないという。

 「監督が言っていることを全部クリアにしていくというのは、当然のことだと思うんです。それにプラスアルファで、自分でも工夫をして、『面白ことをやっているね』と見つけてもらうことが、仕事のひとつでもあるから」

 現場の空気を大切にするタイプでもある。

 「作品を作っていくのって、体力的にも作業的にも大変なことだから、みんなが『行きたい』と思うような現場にしたいですよね。撮影が終わったときに、『楽しかったな』と思ってもらえたらうれしいです」

 実は嵐でデビューする前は、裏方の仕事にも興味があったという。

 「舞台の演出家になりたかったんです。15、16歳のころ、『キャラクターが生き生きとしているのは、衣装やメーク、美術、カメラ、照明、監督といった人たちがいるからだ』と思うようになってから、そっちの勉強をしたくなったんです」

 そんな視点を持っているからこそ、周りのスタッフには感謝の気持ちを忘れない。

 「映画を作るときに、あれだけのスタッフが集まっていることに感謝の思いがなかったら、変な人になっちゃいますよね」

 話していると、トップアイドルでありながらも浮かれないで、地に足を付けて歩んできたのが伝わってくる。

 「嵐の人たちも、そういうマインドが強いような気がします。バラエティー番組のときだけでなく、裏でも楽しいほうがいいよね、という感じで、スタッフを交えてしゃべったりしていますしね」

 嵐がデビューして18年になる。「アイドル」と呼ばれることに関してはどう思っているのか。

 「単純に、まだアイドルとして認識してもらえているんだなって思います。多分われわれも含め、アイドルの定義を言える人はいないだろうし、バラエティー番組や芝居など、アイドルの活動の幅が広がってきているので、それでもアイドルだと呼んでいただけるのはありがたいです」

 私生活では、ゲーム好きで有名。実は仕事に役立っているところもある。

 「ゲームを好きになったきっかけは、空を飛ぶとか、必殺技を出すとか、普段できないことを体験できることだったんです。ゲームのおかげで、とっぴな設定の芝居のときでも、その世界に入りやすくなっているところはあるかもしれませんね」

 ゲームも糧になっている演技力で、今後も人々の心をつかんでいく。(ペン・加藤弓子)

 ■二宮和也(にのみや・かずなり) 5人組アイドルグループ、嵐のメンバー。俳優。1983年6月17日生まれ、東京都出身。34歳。99年に嵐としてデビュー。2006年に映画「硫黄島からの手紙」でハリウッドデビュー。18年に木村拓哉とW主演の映画「検察側の罪人」が公開予定。嵐では、アルバム「untitled」が発売中。11月8日にはシングル「Doors~勇気の軌跡~」が発売される。


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