1勝5敗2分
僕に残った数字だ。
勝つ負ける…打ち合って僅差だったのか、ワンサイドだったのか。内容は様々だけど結果はどちらかの言葉だ。戦績は数字でしか残らない。
2011年8月のデビュー戦に判定勝ちした。だけどその後引き分けをはさんで5連敗。
毎回、勝つと信じて臨んだのだけど、勝てなかった。
このままでは勝ったことがある人になってしまう。心の片隅にそんな気持ちがあった。
僕にはまずやらなくてはならないことがあった。
妻に勝つところを見せること。
出会ったのがデビュー戦の後だったから、DVDでしか勝ったところを見せてなかった。
どんな勝ち方でもいい。
正々堂々とやって勝つ。僅差で判定が割れてもいい。勝ち名乗りを受ける。
やってみたいじゃない。やらなくてはならないこと。
試合のお話を頂いて、スーパーバンタム級55.3㌔でエントリーした。
昨年12月はバンタム級53.5㌔だったけど、減量に苦しんだ。不覚にも正月で太ってしまったし、約2年振りにスーパーバンタム級にした。
対戦相手が大きいのは覚悟した。
そしてやっぱり背の高い相手に決まった。
飛び込んで、接近戦しかない。
階級を上げたのに減量はキツかった。スーパーバンタムにしてよかった(´・_・`)
一方で不安だった。
パンチが伸びてくるに違いない。
距離を詰められなかったら勝ち目がない。
試合前夜、なかなか眠れなかった。
当日の朝、体調は悪くない。大丈夫だ戦える。
バックヤードで出番を待っていた。
もうすぐ入場だ。
やっぱり落ち着かない。そわそわしているのが分かった。
前の試合が終わった。
僕の試合の第3試合のアナウンスがあった。入場だ。
もう一度気持ちを入れて、リングに向かった。
いつものようにリングは高くそびえている。目を閉じて呼吸を整えた。
ここからの記憶は曖昧だ。
右ストレートが当たった気がする。
飛び込んだら打たれそうで、見合った気がする。
打たれて顎が上がった気がする。
必死に距離を詰めてパンチを打った。
レフリーが割って入った。
スタンディングダウンか?
両手を交差した。勝った。
後日、格闘情報サイトを見たら3R2分8秒TKOと書いてあった。
3年半振りの勝ち名乗り、そして初めてトルフィーをもらった。
長い道程だった。
試合の一週間後は妻の誕生日。
勝利はプレゼントしちゃった。だからトルフィーは奥さんのもの。
片付けようとしたら、飾っておくんだってさ。これをもらうの大変だったんでしょ?だって。
5連敗しました。
それでも僕を応援して頂いて有り難く思っています。
ありがとうございました。
もう少し現役を続けます。