「ちょいと、ごめんよ」


「おう、仁さんじゃないかい。 貧相なイヌを連れてどうしたい?」


「いや、この犬がな、どういうわけか俺のあとをついてくんだよ。うっとうしくってしょうがないやぃ」

 
「仁さん、ちゃんと今日の朝、ケツ拭いたかい?犬はケツのにおいを嗅ぐってぇから、仁さんのを嗅ぎに

付いてきたんじゃないかい?」


「くだらねえこと言いやがる。」


「ははっ ケツだけに お腹のあれがくだらねぇかい」


「殺すぞ」


「そんなことより この犬 仁さんの後を付いてきたけど、どうすんだよ」  


「おう それなんだがな、こうやって俺についてきたのも何かの縁だ。 

連れてかえって、うちで飼ってやろうと思うんだよ。 番犬ぐらいにはなるだろう」


「大丈夫かい?仁さん。 イヌ飼うたって 大変だぜ。 いっちょまえに、飯も食うし、糞もする、散歩

をせがむ、所かまわず吠える、盛りになれば足に巻き付く、 ご飯って言わせようとしても、飼い主以外

の人にはバカにされる。 ろくなことねえぜ」


「俺が 飼ってやろうとその気になってるのに、 飼う前から気がめげるようなこと言うんじゃないよ。

よし、こうなったら意地でも俺が面倒を見てやるからな。 覚悟しとけよ!この、クソ犬」


「あー、 仁さんの覚悟しとけよが出たぁ~ ナンマンダブ ナンマンダブ ・・・」  


=つづく=