「ノコギリは金物でできてますね。」

「うん、金物ですな。」

「でも、このノコギリは煮物ですよ。」

「ということは、金物のノコギリの煮物ですな。」

「煮物という事は 食べ物ですよね。」

「えぇ 食べ物ですな。 煮られなければ 食物連鎖で鷹より上位に位置しますな。」

「という事は このノコギリは人間に食べられると?」

「そうですな。人間と シャチ にも食べられますな。」

「では、カマキリには歯がたたないと」

「そういうことですな」

「炒め物にしたらどうです」

「炒め物にはむいてませんな。 金物ですから、炒める側になってしまいますな。」

「なるほど。 では、揚げ物にしたらどうです。」

「揚げ物にすれば、 かぶり物と間違えられますな。」

「かぶり物と間違えられたら 裏切り者と思われますよ」

「裏切り者はちがいますな。 腫れ物にされますな。」

「ノコギリの腫れ物ですか?」

「いえ、ノコギリが腫れ物です。」

「では、そんなに厄介者ですか?」

「いえ、厄介者じゃなく、厄介な物ですな。 それは、アロエを塗らなきゃ治らないですな。」

「でも 赤みは残りますよ」
    
「赤みも 二、三日くらいで消えますな。 煮物でも口を怪我してアロエが必要ですな。」

「それでは ノコギリは 切る物ですね」

「ノコギリは 食べ物にするよりは  物を切る物に向いてますな。」