2021年6月2日FB投稿記事より
昨日から六月に入りましたね!
六月は別名水無月(みなずき)と呼び、日本の春と夏の境目で、初夏となり、この頃より日本各地では梅雨の時期に入ります。でも今年は梅雨入りが早かったですね!
それでは今月の俳句を
「紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘」 正岡子規作
意訳:アジサイが美しく咲いていることだ。昨日の姿が本当で今日の姿か嘘であるかのように色を移ろわせている。
さて今月の「御朱印・法華経二十八品の心」は法華経【譬喩品第三】をご紹介いたします。
方便品第二の教えを聞き、仏教がすべての人々を仏の境界へ導くための一仏乗(いちぶつじょう)の教えであるということを理解したのは、智慧第一(ちえだいいち)の舎利弗尊者(しゃりほつそんじゃ)お一人でありました。そこでお釈迦様は舎利弗尊者に未来成仏の予言を与え、もう一度皆の為にわかりやすく譬喩を用いて教えを説かれたのです。
法華経には、教えを広く理解させるために説かれた譬え話が七つあります。古来「法華七喩(ほっけしちゆ)」と呼ばれているものです。*1
その中で最初に説かれる有名なお話が、この譬喩品で説かれる「三車火宅の譬え」です。
あるところに広大なる屋敷がありました。まさに廃墟とも言うべき大宅で、たくさんの人々ばかりか、鬼神・悪鬼・無気味な生きとし生けるものすべてが恐ろしい弱肉強食の生活をしていました。
ところが、この屋敷に火事が起こり、無残な様相が一瞬のうちに始まりました。この屋敷の出入り口は小さく一つしかない。しかも、家主の子供は、それを知らず、屋敷内で遊びたわむれている。家主である父は子供たちを門外へ出そうとしますが、遊びに夢中で言うことを聞きません。そこで父親は子供たちの欲しがっていた羊車(ようしゃ)と鹿車(ろくしゃ)と牛車(ごしゃ)の三種類の車を与えるから、門外へ出てくることを叫びました。
これによって子供たちは屋敷より出、父は先に言った三つの車ではなく、立派な白い牛の引く大白牛車(だいびゃくごしゃ)を与えたのです。そして親子で喜びを共にするのでありました。
この譬えの中で強調されているのが、お釈迦さまと私たち衆生との父と子の関係であります。*2
「今この三界は、みなこれ我が有なり。その中の衆生は悉くこれ我が子なり。しかも今この処は諸々の患難(げんなん)多し。ただわれ一人のみよく救護(くご)をなす」(欲令衆より)
唯 我 一 人
能 為 救 護
(仏さまは私達の親であり、親が子供を見捨てないように、仏さま一人だけが私達を必ず救いますようにと説かれています。)
皆様も仏さまの優しさに包まれますように。
(参考資料)
譬喩品第三 抜粋
如来已離 三界火宅 寂然閑居 安処林野
今此三界 皆是我有 其中衆生 悉是吾子
而今此処 多諸難患【唯我一人 能為救護】
如来は已に 三界の火宅を離れて
寂然として閑居し 林野に安処せり
今此の三界は 皆是れ我が有なり
其の中の衆生は 悉く是れ吾が子なり
而も今此の処は 諸の患難多し
唯我一人のみ 能く救護を為す
*1
法華七喩とは
譬喩品第三―――――三車火宅(さんしゃかたく)の喩え
信解品第四―――――長者窮子(ちょうじゃぐうじ)の喩え
薬草喩品第五――――三草二木(さんそうにもく)の喩え
化城喩品第七――――化城宝処(けじょうほうしょ)の喩え
五百弟子受記品第八―衣裏繋珠(えりけいじゅ)の喩え
安楽行品第十四―――髻中明珠(けいちゅうみょうじゅ)の喩え
如来壽量品第十六――良医治子(ろういじし)の喩え
*2
お釈迦様と私たちの関係
・長者(父)はお釈迦様
・火宅とは三界(欲界・色界・無色界)
・三車とは・・・①羊車(声聞乗)
②鹿車(縁覚乗)→三乗
③牛車(菩薩乗)
三乗・みなを導く為に方便として説いた教え
・太白牛車とは仏乗・成仏の大法=真実の教え(法華経)
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
感謝 合掌南無妙法蓮華
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