2023年2月1日FB投稿記事より

 

皆様こんばんわです。

寒さ厳しき折、如何お過ごしでしょうか?

今年も早いもので一か月が経過しましたね!

今月、二月の事を日本では如月(きさらぎ)と呼ばれていますね❣

•旧暦二月でもまだ寒さが残っているので、衣(きぬ)をさらに着る月であるから「衣更着(きさらぎ)」とも

•草木の芽が張り出す月であるから「草木張月(くさきはりづき)」とも

•前年の旧暦八月に雁が来て、更に燕が来る頃であるから「来更来(きさらぎ)」とも

•陽気が更に来る月であるから「気更来(きさらぎ)」とも

等々の諸説があるようです。

今月は「節分」・「初午」・「バレンタイン」等の行事もありますね。

それでは今月の一句

「きさらぎや 人の心の あらたまり」 

    吉分大魯(よしわけ たいろ)作

(大魯は江戸時代中期の俳人で、蕪村に師事した人です。)

さて今月の「御朱印・法華経二十八品の心」は法華経「薬王菩薩本事品第二十三」をご紹介致します。

この章では、薬王菩薩の前世の物語と、それを通じた法華経受持の功徳が説かれております。

本事(ほんじ)とは、昔話・前世譚のことを言います。

お釈迦様は宿王華菩薩*①の質問に答えるため、薬王菩薩の前世の話をされます。

それは遠い昔、薬王菩薩の前世である一切衆生喜見菩薩*②は仏様のもとで法華経を学び、修行をした結果、特別な力を得られました。このことに感謝し、師匠である日月浄明徳如来*③を供養されますが、いかなる供養も身を捧げての供養に及ばないと思われ、自らの身を燃やして全世界を照らすという「焼身供養」(教えである法をもって仏に供養することで、仏の恩に報いるためには、自分を犠牲にしてでも法を弘め、その法の光によって全世界を照らしだすことこそが何ものにも勝る供養となる。との意味です。)をし、最後には火が消えると同時に身も尽きてしまうのです。

また、次に生まれた世界でも同じように、身を惜しまずに仏様に供養をされたのでした。

お釈迦様はこの薬王菩薩の前世での供養は「国土や城、多くの宝を供養するよりも勝れている」と褒められます。

しかし、それは法華経の一偈でも受持する功徳には及ばないと説かれます。つまり、薬王菩薩の焼身供養よりも、法華経の中の一偈(一節)でも受けたもつ功徳の方が大きいということなのです。

続いてお釈迦様は、法華経がすべての経典の中で第一であることを10の喩え*④ともって語られます。

そして、それがどれほど優れているかを「寒い者が火を得るように、病の人が医者を得るように、民が王を得るように、灯火が暗闇を除くように」など、12の喩えをもって説明されます。

この喩えのように、法華経はすべての人々を救う教えであり、この法華経は末法の人々にとって最上の良薬であり、そして、仏道を求める者は、この法華経を受持する人を見るならば、最上の敬いの心を起こすことが大切だと説かれるのです。

*①宿王華菩薩とはサンスクリット語では“ナクシャトラ・ラージャ・サンクスミダ・アビジュニャ”と言い“ナクシャトラ”とはインド宿曜術のシャーマンであり、法華経の解説でも「宿星の王の神力」とあります。

*②一切衆生喜見菩薩とは自分自身に火をつけ、その身の燃える光は、八十億恒河沙の広い世界に及び、遍く闇を照らし、身は1200年間燃え続け、その後、浄徳王の王子として生まれ変わり、薬王菩薩と名を変えられました。

*③日月浄明徳如来とは汚れなき月と太陽の光に照らされる徳ある者との意味で、無量恒河沙劫という遥か昔にいたとされる仏。その寿命は四万二千劫とされています。

*④法華経の十の喩えとは

①海第一が如く

②須弥山(しゅみせん)第一が如く

③月天子(がってんじ)第一が如く

④日天子(にってんじ)能く闇を除くが如く

⑤転輪聖王(てんりんじょうおう)第一が如く

⑥帝釈(たいしゃく)の三十三天の王なるが如く

⑦大梵天王(だいぼんてんのう)の一切衆生の父なるが如く

⑧凡夫人の中に辟支仏(ひゃくしぶつ)第一が如く

⑨菩薩これ第一なり

⑩仏は諸法の王なるが如く

今月の教えは・・・

        若 人 有 病

        得 聞 是 経

        病 即 消 滅

        不 老 不 死

(もし人病あらんに この経を聞くことを得ば 

病即ち消滅して不老不死ならん)

私たちの心身が病だったとしても法華経を聴聞して信仰することで病はなくなり、心も不滅の存在となるとの仏さまのお教えです。信仰に励んで参りましょう。

   妙法蓮華経薬王菩薩本事品第二十三抜粋

爾時宿王華菩薩。白仏言。世尊。薬王菩薩。云何遊於。娑婆世界。

(訳)爾の時に宿王華菩薩、仏に白して言さく、世尊、薬王菩薩は云何してか娑婆世界に遊ぶ。

世尊是薬王菩薩。有若干百千万億。那由他。難行苦行。

(訳)世尊、是の薬王菩薩は若干百千万億那由他の難行苦行あらん。

善哉世尊。願少解説。諸天。龍神。夜叉。乾闥婆。阿修羅。迦楼羅。緊那羅。摩羅伽。人非人等。又他国土。諸来菩薩。及此声聞衆。聞皆歓喜。

(訳)善哉世尊、願わくは少し解説したまえ。諸の天・龍神・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩・羅伽・人非人等、又他の国土より諸の来れる菩薩及び此の声聞衆、聞いて皆歓喜せん。

有仏号。日月浄明徳如来。応供。正知。明行足。善逝。世間解。無上士。調御丈夫。天人師。仏。世尊。其仏有八十億。大菩薩摩訶薩。七十二恒河沙。大声聞衆。仏寿四万二千劫。菩薩寿命亦等。彼国無有女人。地獄。餓鬼。畜生。阿修羅等。及以諸難。

(訳)仏いましき、日月浄明徳如来・応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊と号けたてまつる。其の仏に八十億の大菩薩摩訶薩・七十二恒河沙の大声聞衆あり。仏の寿は四万二千劫、菩薩の寿命も亦等し。彼の国には女人・地獄・餓鬼・畜生・阿修羅等及び諸難あることなし。

爾時彼仏。為一切衆生。憙見菩薩。及衆菩薩。諸声聞衆。説法華経。

(訳)爾の時に彼の仏、一切衆生憙見菩薩及び衆の菩薩・諸の声聞衆の為に、法華経を説きたもう。

是一切衆生。憙見菩薩。楽習苦行。於日月浄明徳仏法中。精進経行。一心求仏。満万二千歳已。得現一切色身三昧。

(訳)是の一切衆生憙見菩薩楽って苦行を習い、日月浄明徳仏の法の中に於て、精進経行して一心に仏を求むること、万二千歳を満じ已って、現一切色身三昧を得。

得此三昧已。心大歓喜。即作念言。我得現一切色身三昧。皆是得聞。法華経力。我今当供養。日月浄明徳仏。及法華経。即時入是三昧。於虚空中。雨曼陀羅華。摩訶曼陀羅華。細抹堅黒栴檀。満虚空中。如雲而下。又雨海此岸。栴檀之香。此香六銖。価直娑婆世界。以供養仏。

(訳)此の三昧を得已って、心大に歓喜して即ち念言を作さく、我現一切色身三昧を得たる、皆是れ法華経を聞くことを得る力なり。我今当に日月浄明徳仏及び法華経を供養すべし。即時に是の三昧に入って、虚空の中に於て曼陀羅華・摩訶曼陀羅華・細抹堅黒の栴檀を雨らし、虚空の中に満てて雲の如くにして下し、又海此岸の栴檀の香を雨らす。此の香の六銖は価直娑婆世界なり、以て仏に供養す。

即為其父。而説偈言 大王今当知 我経行彼処 即時得一切 

現諸身三昧 勤行大精進 捨所愛之身

説是偈已。而白父言。日月浄明徳仏。今故現在。我先供養仏已。得解一切衆生。

語言陀羅尼。復聞是法華経。八百千万億那由他。甄迦羅。頻婆羅。阿婆等偈。大王。我今当還。供養此仏。

(訳)即ち其の父の為に而も偈を説いて言さく、

 大王今当に知るべし 我彼の処に経行して

 即時に一切 現諸身三昧を得

 大精進を勤行して 所愛の身を捨てにき

 是の偈を説き已って父に白して言さく、

 日月浄明徳仏今故お現に在す。我先に仏を供養し已って解一切衆生語言陀羅尼を得、復是の法華経の八百千万億那由他・甄迦羅・頻婆羅・阿・婆等の偈を聞けり。大王、我今当に還って此の仏を供養すべしと。

爾時一切衆生。憙見菩薩。復自念言。我雖作是供養。心猶未足。我今当更。供養舎利。便語諸菩薩大弟子。及天龍夜叉等。一切大衆。汝等当一心念。我今供養。日月浄明徳仏舎利。作是後已。即於八万四千塔前。燃百福荘厳臂。七万二千歳。而以供養。無数求声聞衆。無量阿僧祇人。発阿耨多羅三藐三菩提心。皆使得住。現一切色身三昧。

(訳)爾の時に一切衆生憙見菩薩、復自ら念言すらく、我是の供養を作すと雖も心猶お未だ足らず、我今当に更舎利を供養すべし。

 便ち諸の菩薩大弟子及び天・龍・夜叉等の一切の大衆に語らく、

 汝等当に一心に念ずべし、我今日月浄明徳仏の舎利を供養せん。

 是の語を作し已って、即ち八万四千の塔の前に於て、百福荘厳の臂を燃すこと七万二千歳にして以て供養す。無数の声聞を求むる衆・無量阿僧祇の人をして、阿耨多羅三藐三菩提の心を発さしめ、皆現一切色身三昧に住することを得せしむ。

宿王華。譬如一切。川流江河。諸水之中。海為第一。此法華経。亦復如是。於諸如来。所説経中。最為深大。

(訳)宿王華、譬えば一切の川流江河の諸水の中に、海為れ第一なるが如く、此の法華経も亦復是の如し。諸の如来の所説の経の中に於て最も為れ深大なり。

又如土山。黒山。小鉄圍山。大鉄圍山。及十宝山。衆山之中。須弥山為第一。此法華経。亦復如是。於諸経中。最為其上。

(訳)又土山・黒山・小鉄圍山・大鉄圍山及び十宝山の衆山の中に、須弥山為れ第一なるが如く、此の法華経も亦復是の如し。諸経の中に於て最も為れ其の上なり。

又如衆星之中。月天子。最為第一。此法華経。亦復如是。於千万億種。諸経法中。最為照明。

(訳)又衆星の中に月天子最も為れ第一なるが如く、此の法華経も亦復是の如し。千万億種の諸経法の中に於て最も為れ照明なり。

又如日天子。能除諸闇。此経亦復如是。能破一切。不善之闇。

(訳)又日天子の能く諸の闇を除くが如く、此の経も亦復是の如し。能く一切不善の闇を破す。

又如諸小王中。転輪聖王。最為第一。此経亦復如是。於衆経中。最為其尊。

(訳)又諸の小王の中に、転輪聖王最も為れ第一なるが如く、此の経も亦復是の如し。衆経の中に於て最も為れ其の尊なり。

又如帝釈。於三十三天中王。此経亦復如是。諸経中王。

(訳)又帝釈の三十三天の中に於て王なるが如く、此の経も亦復是の如し。諸経の中の王なり。

又如大梵天王。一切衆生之父。此経亦復如是。一切賢聖。学無学。及発菩薩心者之父。

(訳)又大梵天王の一切衆生の父なるが如く、此の経も亦復是の如し。一切の賢・聖・学・無学及び菩薩の心を発す者の父なり。

又如一切。凡夫人中。須陀。斯陀含。阿那含。阿羅漢。辟支仏為第一。此経亦復如是。一切如来所説。若菩薩所説。若声聞所説。諸経法中。最為第一。有能受持。是経典者。亦復如是。於一切衆生中。亦為第一。

(訳)又一切の凡夫人の中に須陀・・斯陀含・阿那含・阿羅漢・辟支仏為れ第一なるが如く、此の経も亦復是の如し。一切の如来の所説、若しは菩薩の所説、若しは声聞の所説、諸の経法の中に最も為れ第一なり。能く是の経典を受持することあらん者も亦復是の如し。

一切声聞。辟支仏中。菩薩為第一。此経亦復如是。於一切諸経法中。最為第一。

(訳)一切衆生の中に於て亦為れ第一なり。一切の声聞・辟支仏の中に菩薩為れ第一なり、此の経も亦復是の如し。一切の諸の経法の中に於て最も為れ第一なり。

如仏為諸法王。此経亦復如是。諸経中王。

(訳)仏は為れ諸法の王なるが如く、此の経も亦復是の如し。諸経の中の王なり。

宿王華。此経能救。一切衆生者。

(訳)宿王華、此の経は能く一切衆生を救いたもう者なり。

此経能令。一切衆生。離諸苦悩。此経能大饒益。一切衆生。充満其願。如清涼池。能満一切。諸渇乏者。如寒者得火。如裸者得衣。如商人得主。如子得母。如渡得船。如病得医。如暗得燈。如貧得宝。如民得王。如賈客得海。如炬除暗。此法華経。亦復如是。

(訳)此の経は能く一切衆生をして諸の苦悩を離れしめたもう。此の経は能く大に一切衆生を饒益して、其の願を充満せしめたもう。清涼の池の能く一切の諸の渇乏の者に満つるが如く、寒き者の火を得たるが如く、裸なる者の衣を得たるが如く、商人の主を得たるが如く、子の母を得たるが如く、渡りに船を得たるが如く、病に医を得たるが如く、暗に燈を得たるが如く、貧しきに宝を得たるが如く、民の王を得たるが如く、賈客の海を得たるが如く、炬の暗を除くが如く、此の法華経も亦復是の如し。

是故宿王華。以此薬王菩薩本事品。嘱累於汝。我滅度後。後五百歳中。広宣流布。於閻浮提。無令断絶。悪魔魔民。諸天龍夜叉。鳩槃荼等。得其便也。宿王華。汝当以神通之力。守護是経。所以者何。此経則為。閻浮提人。病之良薬。【若人有病。得聞是経。病即消滅。不老不死。】宿王華。汝若見有。受持是経者。応以青蓮華。盛満抹香。供散其上。散已作是念言。此人不久。必当取草。坐於道場。破諸魔軍。当吹法螺。撃大法鼓。度脱一切衆。生老病死海。是故求仏道者。見有受持。是経典人。応当如是。生恭敬心。

(訳)是の故に宿王華、此の薬王菩薩本事品を以て汝に嘱累す。我が滅度の後後の五百歳の中、閻浮提に広宣流布して、断絶して悪魔・魔民・諸天・龍・夜叉・鳩槃荼等に其の便を得せしむることなかれ。宿王華、汝当に神通の力を以て是の経を守護すべし。所以は何ん、此の経は則ち為れ閻浮提の人の病の良薬なり。【若し人病あらんに是の経を聞くことを得ば、病即ち消滅して不老不死ならん。】宿王華、汝若し是の経を受持することあらん者を見ては、青蓮華を以て抹香を盛り満てて、其の上に供散すべし。散じ已って是の念言を作すべし、

 此の人久しからずして、必ず当に草を取って道場に坐して諸の魔軍を破すべし。当に法の螺を吹き大法の鼓を撃って一切衆生の老・病・死の海を度脱すべし。

 是の故に仏道を求めん者、是の経典を受持することあらん人を見ては、応当に是の如く恭敬の心を生ずべし。

説是薬王菩薩本事品時。八万四千菩薩。得解一切衆生。語言陀羅尼。

(訳)是の薬王菩薩本事品を説きたもう時、八万四千の菩薩、解一切衆生語言陀羅尼を得たり。

多宝如来。於宝塔中。讃宿王華菩薩言。善哉善哉。宿王華。汝成就不可思議功徳。乃能問釈迦牟尼仏。如此之事。利益無量。一切衆生

(訳)多宝如来宝塔の中に於て宿王華菩薩を讃めて言わく、善哉善哉、宿王華、汝不可思議の功徳を成就して、乃ち能く釈迦牟尼仏に此の如きの事を問いたてまつりて、無量の一切衆生を利益す。

本日も長文を最後までお読みいただきありがとうございます。

ご縁に感謝 合掌🙏

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