「どうしよっかなぁ。」
「うーん。」
翔くんがいないと
俺の独り言は
本当の独り言となるから
発する独り言が同じ数でも
返事がない独り言は
必然的に独り言と確定するので
トータル独り言認定された独り言の数が増える。
って、独り言認定ってなんだよ。
「でもなぁ。」
「けど仕方ないよなぁ。」
その独り言は
翔くんのいない部屋に吸い込まれていく。
テレビはテレビで俺に負けじと独り言のように
映像と音声がひたすら流れる。
「うん、仕方ない。」
ひとり頷いて
スープをテーブルに運んだ。
「さ、食べよ。」
「いただきまぁす。」
「…。」
「…ふつーにうまい。」
「うん、やっぱ味が染みてうまいかな。」
「…。」
「いや、やっぱ作りたてだよな。」
俺の立て続けに繰り出される独り言に
翔くんの返事は
当たり前ながら、あるわけなくて
小さく息を吐いて
つけっぱなしのテレビに目をやる。
「あ、しまった!翔くん出てるんだった!」
曜日の感覚はまだしも
時間の感覚が
ちょっとだけ狂ってしまってるらしい。
「あーごめんね、翔くん。」
俺が謝っても
テレビの中の翔くんは
腕組みして話し続ける。
『共有したいが先行っちゃって』
『お取り寄せを人に送りつける病が始まっちゃって。』
その言葉を聞いて
席を立って
冷凍庫を開ける。
冷気がすぐに俺に伝わる。
「これね。」
翔くんから届いた冷凍食品たち。
届いてすぐの頃は食べてみたものの、
翔くんがいないのを機に
ファスティングしてたから
なおさら一人では食べきれなくて
翔くんが戻ってきたら食べようと
保管している冷凍庫は
もうそろそろキャパオーバーしそうだ。
「翔くん早く帰って来ないかなぁ。」
翔くんは送りつける相手の家族構成とか
考えて選んで送ってるはず。
なのに、こうも1人前ではなく
[2人前]と書かれた物が届くとなると
「誰かのついでに送ってるんじゃないの?」
なんて
卑屈になってしまうのは
ネガティブな俺だから仕方ない。
「ま、俺も同じようなもんか。」
俺は冷蔵庫を閉じて
食事中だったことを思い出して
椅子に座り直した。
リーダーのカレーは冷凍できても
スープは冷凍できないし
昼も夜も同じスープを飲みながら俺は
「どうしても2人分作っちゃうんだよなぁ。」
ってまたひとり呟いた。
そして夜、いつもの翔くんからの電話。
「潤?俺さぁ気付いたんだよ!」
「なにに?」
「俺、潤と一緒に住んでるのが当たり前過ぎて、うちに2人前のお取り寄せ送っちゃってんだよね。」
「あー・・・」
「なになに?」
「ふふっ。」
「まさか2人前食っちゃった?」
「ううん。一緒に食べようと思って我が家の冷凍庫はいっぱいになってる。翔くんが戻ってきても我が家の外出自粛は続けられそうだよ。」
相葉ズブートキャンプ。
心臓破裂しそう。
ボックス説明する潤くん可愛いすぎる。
どじょうからの秘密の振り幅。
そしてタブー終わり。
嵐が嵐を散りばめすぎてて好き。