うわっ!
うわっ!うわっ!
うーわっ!
嘘だろ?
なんで?
朝起きると布団の中にいたはずの潤が
俺の腕の中にいた。
おでこの冷えピタはなくなっていて
寝ている間に取れてしまったのかもしれない。
じゃあどっかにくっ付いてるんじゃ…
丸まってどこか布団の中に…
いや。
冷えピタはもういい。
この状況を潤にどう説明すればいい?
俺は断じて布団の中に
自ら入った記憶はない。
待て。
待て待て。
この状況で
潤が俺に襲われたとでも思ったら
終わりじゃねーか!
ゆっくり腕を動かしてみたら
「…おはよ、翔さん。」
潤が目を開けた。
「あのっ、その、これは、なにかの間違いで!!しんどくて動けない潤をどうこうしようなんて思ってなくてッ!」
「隣にベッドあるのに?」
「たしかにそうだけどっ、潤が寒いって言ってたから布団だけじゃ心配で。」
「ふふふ、あったかかったよ。翔さんの腕の中。」
嫌悪感ない潤の表情に
照れるしかない。
「…体どう?」
「もう平気。ごめんね。」
「よかった。」
潤をギュッと抱きしめてみる。
潤は抵抗もしないし
何も言わなかった。
「…潤?」
潤の腕が俺の背中に回るわけでもなく
抱きしめてみたものの、
どうしていいかわからなくなる。
「…ごめん、ヤダったよね…?」
腕の力を緩めて潤の顔を覗き込むと
潤は俺をまっすぐ見つめて。
「翔さんに抱き締められる感触、こういう感じだったんだ。」
「え??」
「もう記憶がね、前過ぎて。」
「記憶?」
「翔さんに抱きしめられた記憶。」
「やっ!ご、ごめんっ!!」
慌てて体をパッと離す。
潤は苦笑いして再び布団に潜る。
「そんな慌てなくても怒ってないのに。」
あれ?
そうだよな?
怒ってないし、
別に突き返す素振りもないよな?
んん?
それに昨日潤はなんて言ってた?
俺が潤を好きなのか聞いてたよな?
なんでそんなこと改めて聞く?
二宮のことを好きなのか聞いたら
間違いなく首を横に振った。
でも熱にうなされる直前だもんな。
ー家族じゃない
ー翔さんに賭ける
その賭けは潤にとって
どんな結果が勝ちになるんだろう。
「潤…。」
俺の腕の中にいる潤が
俺をまっすぐ見つめる。
俺が腕を回しても潤は逃げない。
もう一度しっかり抱き締めてみる。
好きだよ。
気持ちが伝わるように。
大事に。
大切に。
壊れないように。
