昨日潤くんが「繋がりたい」と
言ったのは身体のことだと思う。
なんだか改めて潤くんも
求めてくれてることに
俺の胸は満たされていた。
潤くんにどう触れていいのか
分からなくて。
でも、これからもずっと
一緒にいるんだから
焦る必要はないと思ってる。
久々に『櫻井先生』の名前を聞いて
どうしようもなく焦る自分もいる。
「潤くん、起きて。」
「ん…。」
布団から出ている真っ白な肩を
チュッと吸って首に頬にキスする。
「んっ…カズ…。」
「起きた?ふふふ。」
「ん~!」
伸びをする潤くんに掛かった布団が
肌蹴る。
そんな潤くんの胸をツンツンする。
「誘ってんの?」
「えっ!違うよ!」
潤くんは慌てて起き上がると
Tシャツを被って
シャワーへ向かった。
潤くんの背中を見送る。
せっかくだから、今日は
インスタントはやめて豆を挽こう。
新しいお揃いのマグを見つめる。
前のマグが割れたあの日から
どれくらい経ったかな、
と思いながら挽く。
テーブルに置いてある潤くんの
携帯には俺が付き合って1年のときに
あげたキーホルダー。
携帯を変えてもストラップにして
付いている。あげた時と比べると
傷も付いてるだろうし随分色褪せた
気がするけれど潤くんは
「光にかざすと、もらった頃のままキラキラしてキレイなんだよ。」
と大事にしてくれている。
「豆から挽いてくれたの?いい匂い~。」
潤くんがシャワーから出て来て、
俺の横へ来た。
「潤くんの方がいい匂いだよ。食べたいもん。」
潤くんの頬にチュッとすると
パッと離れて
「ト、トースト、でいい?」
と赤くなった顔を俯いて隠した。
「晩は家に帰って、明日、智とお店に行くから。」
「はーい。」
「…ちゃんと、来てね?」
「はーい。」
「夕方起こす?」
「大丈夫、潤くんと違って目覚めは悪くないから。ふふっ!」
「もー!確かにそうだけどー。」
「潤くん、時間大丈夫?」
「あ!急がなきゃ。」
「後片付けはしとくから。」
「ありがとう。ごめんね。」
潤くんは準備をして、テーブルに
置いてあった携帯を持って
「いってきます。」
と出かけていった。
久々に。
あの日を思い出す。
卒業式。
「はやく、はやく終われ。」と
願ったあの日。
「夢じゃないよ。」と言った
櫻井先生。
あの日の潤くんの涙。
