伊藤孝一ですこんにちは
今日の伊藤孝一の音楽徒然は名器で新たな音楽文化 90年前のピアノ、音色復活へ 宇部修理に200万円、理解求めシンポを伊藤孝一が話しましょう
伝説のピアノよ、蘇(よみがえ)れ――。約90年前に宇部市内の小学校に寄贈されたドイツ製グランドピアノの音色を復活させる計画が進められている。戦火を免れ、国内外の著名な奏者らが弾いてきた名器を活用して新たな音楽文化を育てる狙いだ。計画を進めるのは「咲夢(さきどり)実行委員会」。宇部市や山口市などの会社役員や音楽関係者、幼稚園教諭ら約20人が若いアーティストの夢を応援しようと昨年8月に設立。音楽イベントなどを開催している。
ピアノは1922年に世界最高峰のピアノメーカーのドイツの工場で製造され、宇部興産の創始者、渡辺祐策(すけさく)(1864~1934年)らが新川尋常小学校(現新川小)に寄贈した。
同実行委統括代表の真部尚志さん(39)は約1年半前、このピアノが壊れた状態で国の重要文化財「宇部市渡辺翁記念会館」2階ロビーに展示されているのを知った。
実行委のメンバーたちがこのピアノについて調べた結果、45年7月の空襲の際に教師6人が必死の消火活動でピアノを守った逸話などが判明。戦後は、多くの日本人音楽家を育てたドイツのレオニード・クロイツァーや東京音楽学校(現東京芸術大)教授の永井進、井口基成ら国内外の有名奏者を招く度に、ピアノが小学校から同記念会館などに運ばれ、聴衆を魅了したことも分かった。
今回の計画は、「ピアノには多くの市民の特別な思い出が詰まっている。往時の音色を復活させよう」と持ち上がったという。
ピアノは弦がさび付き、鍵盤の象牙が剥がれ、出ない音があるほど傷んでおり、修理に200万~300万円が必要。実行委は7月14日に復活計画への理解を深めてもらうシンポジウムを開き、入場料(1人500円)をその費用に充てる。
修理できれば、様々なジャンルの音楽家らが集う年に1度の音楽祭を開くことも計画している。真部さんは「ピアノを宇部市だけでなく県の音楽文化の象徴として、県外の人も楽しめる催しに育てたい」と意気込んでいる。