東京電力 福島第一原発事故 を調査した政府事故調査・検証委員会が聴取した吉田昌郎 所長(故人)ら772人分の調書の公開を求め、東電株主代表訴訟 の原告らが国を相手取り、東京地裁 に行政訴訟 を起こす方針を固めた。近く調書が保管されている内閣官房に開示を請求し、非開示決定が出ればただちに提訴する。
政府事故調は2011年5月に設置。吉田氏ら計772人を聴取したが、誰を聴取したのかさえ明らかにしていない。吉田氏らの調書や関連資料は現在、内閣官房に保管されている。
政府事故調は非公開で聴取した調書について「必要な範囲で開示する」としていたが、これまで公開されていない。菅義偉官房長官 は「ヒアリングは非公開を前提に任意の協力を頂いて行ったもので吉田氏を含め公表しない」としている。
原告代理人になる海渡雄一弁護士は「吉田調書 の報道によれば、東電の指揮命令系統は崩壊していた。吉田調書 だけでなく、関係者の調書は事故原因の解明と責任追及に欠かせない。政府は開示のルールを定め、原則すべて公開すべきだ」と指摘。歴代内閣が公開しなかったのは「不作為による情報の隠蔽(いんぺい)」と批判する。情報公開法 では開示請求後、原則30日以内に結果が出る。不服申し立てもできるが、国の非公開の姿勢を司法の場でただすため、非開示決定が出ればすぐに行政訴訟 に踏み切る方針だ。
国は政府事故調が国会事故調の求めに応じ調書を提出する際、吉田氏が非公開を望む上申書を提出したとして公開を拒んでいるが、吉田調書 には吉田氏が公開を認める考えを示した記録がある。
(木村英昭、堀内京子)
「吉田調書」【抜粋】