適度な運動は、生活習慣病の予防・骨粗しょう症予防・ストレス解消など、健康的な生活を営むためにとても有効です。

 

毎日の生活の中で、運動は体に良いから、と意識されている方も多いのではないでしょうか。


「運動が体にいいことはわかっているけど、ハードな運動は続かない……」という方にこそおすすめの、誰でもできる効果的な運動不足解消法もご紹介します。

 

 

運動不足と健康

 

運動不足になると、まず初めに体重が増えることを想像しますよね。


実際その通りで、運動不足になると筋肉量が減ります。そして、消費エネルギーが低くなり、脂肪を蓄積しやすくなって体重も増えてしまいます。

 

反対に、運動量を増やして筋肉量が増えれば、活動量が少なくても消費カロリーを増やせます。


運動不足は、体重の増加だけでなく、実は肩こり・腰痛にもつながりやすいのです。

 

 

ふくらはぎと肩こり・腰痛の関係

 

 

 

ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」といわれ、体内のポンプの役割を果たしていると言われています。

 

足首を動かしてふくらはぎの筋肉を収縮・弛緩させると、重力によって下半身に溜まってしまった血液や老廃物を上半身へと流してくれます。


座り姿勢の時間が長かったり運動不足だったりして、体、特にふくらはぎを動かしていないと、血流が滞って老廃物が溜まり、むくみや疲れの原因になるのです。

 

肩こり・腰痛の主な原因として、筋力の低下による姿勢の悪化がありますが、実は、血行不良は肩こり・腰痛を引き起こす原因のひとつ。

 

血流が滞ると疲労物質が溜まり、神経を刺激します。

 

これが、こわばりやだるさなどの肩こり・腰痛の症状を生じさせるのです。


肩こり・腰痛に悩んでいる方は、肩・背中周りだけでなく、ふくらはぎも意識的に動かすようにして、血流をよくしましょう。

 

 

正しい姿勢のポイントは「骨盤」

 

肩こり・腰痛の主な原因として姿勢の悪さを挙げましたが、逆に、正しい姿勢が肩こり・腰痛の予防になるともいえます。


正しい姿勢を保つためには、上半身と下半身をつなぐ要でもある骨盤が、まっすぐであることが重要です。

 

骨盤が後傾もしくは前傾していないか、それぞれのタイプを知ることでチェックしてみましょう。

 

猫背の方に多いのが、骨盤後傾タイプです。反り腰の方に多いのが、骨盤前傾タイプです。

 

 

骨盤後傾タイプ

 

運動不足などで太ももの後ろ、ふくらはぎ、お尻の筋肉が固くなり、骨盤が後ろの筋肉に引っ張られます。

 

その影響で、背骨の正常なS字カーブがなくなり、フラットな状態になります。

 

背骨に正常なS字カーブがないと、腰部への衝撃吸収作用が低下して、腰痛を引き起こしてしまうのです。


また、骨盤が後ろに引っ張られると猫背になるため、頭が前に出て、肩こりも引き起こしやすくなります。

 

 

骨盤前傾タイプ

 

運動不足などで太ももの前、股関節が固くなり、骨盤が前に引っ張られます。

 

そして、背骨の正常なS字カーブよりも、過剰なカーブ(反り腰)になることで、腰痛を引き起こします。


また、骨盤が前に引っ張られて過剰なS字カーブになると、背中から肩にかけて頭の重さが分散されず、肩こりを引き起こしやすくなります。

 

このように、運動不足によって筋肉が固まると、肩こり・腰痛につながります。


運動不足を解消して、肩こり・腰痛の予防・対策をしましょう。

 

 

年代別・運動不足解消方法

 

 

運動は、短時間でもよいので継続することが大切です。無理をしてトレーニングをするより、自分の年齢に合ったものから挑戦してみましょう。

 

 

デスクワークが多い30代~40代

 

デスクワークで長時間座っていることが多い方は、適切な座り姿勢や机・椅子の高さ、パソコンのキーボードなどの位置が重要になります。


たとえば、パソコンのキーボードが体から離れすぎていると、巻き肩になり、肩こりになりやすいです。


「肩こりだから、肩をほぐそう」と考えがちですが、まず胸の筋肉をストレッチしましょう。

 

なぜなら、巻き肩の方は、胸の筋肉が強く縮んでしまっているからです。

 

反対に、背中の筋肉は伸びているので、肩甲骨同士を寄せる運動がおすすめです。

 

  1. 両手を背中の後ろで組みます
  2. 肩甲骨を寄せて、手のひら同士を合わせます
  3. 胸をしっかり開きます
  4. 組んだ手をできるだけ上へ持ち上げたまま、10秒キープします。

手を持ち上げるときは、手のひら同士が離れやすいので、注意しましょう。

 

 

筋肉量が減ってくる50代

 

筋肉の半分以上は下半身に集中しています。なので、下半身を動かさなくなると一気に基礎代謝が減り、疲れやすく、太りやすくなります。


加齢によって筋肉量が落ちてきた方は、まずは脚とお尻の大きな筋肉を鍛えるために、スクワットをしてみましょう。

 

スクワットをする際、膝を守るために気をつけることが2つあります。

  1. 膝とつま先の向きを合わせましょう(内または避けましょう)
  2. 腰を下ろした時、膝がつま先より前に出ないよう、かかと側に体重を乗せる

 

10回のスクワットを1セットとし、1日3セットしてみましょう。


慣れてきたら回数を徐々に増やして、さらなる筋力アップを目指しましょう。

 

女性は、50代前後から閉経による骨粗しょう症のリスクが急激に高まります。


立って脚の骨に負荷をかける運動をすると、微量の電流が骨に伝わり、骨の強度が増します。そのため、ウォーキングなどもおすすめです。

 

出典:日本内分泌学会「閉経後骨粗鬆症」

 

 

股関節周りの筋肉量が減りやすい60代

 

60代ごろになると、股関節を曲げて膝を持ち上げることが難しくなり、何もない平坦な道でつまずきやすくなる傾向があります。


股関節に関与している重要な筋肉、腸腰筋(ちょうようきん)を鍛えることで、つまづき防止、姿勢改善につながります。

  1. 椅子に座り、姿勢を正す
  2. 足踏みをするように、太ももを片足ずつ持ち上げる

太ももはなるべく高く持ち上げられるほうがよいですが、無理はしないようにしましょう。

 

地面から脚の裏までに、25cmの距離があるとより効果があります。

 

反動をつけず、ゆっくりと左右20回を目標に頑張りましょう。

 

太ももを持ち上げる時、身体が丸まらないようにするのがポイントです。

 

 

加齢による筋肉の萎縮のリスクが高まる70代以降

 

40歳ごろから、年齢を重ねるたびに筋肉量は少なくなりますが、70代になるとその速度は加速するといわれています。


70代からリスクが高まるサルコペニア(加齢による筋肉の萎縮)は、タンパク質の摂取不足と運動不足によって、つくられる筋肉よりも分解される筋肉の方が多くなることが原因です。

 

食事では、タンパク質の多い食材をしっかり摂ることを心がけましょう。

 

ご高齢の方の運動は、筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う「レジスタンス運動」がよいとされています。


ここでは、椅子を使ったスクワットを紹介します。

  1. 椅子の前で、両腕を前に出して立つ
  2. そのまま、ゆっくり座り込む
  3. お尻が軽く椅子に触るぐらいまで腰を落とす
  4. ゆっくり立ち上がる

運動以外にも、ストレッチをして関節可動域の改善をし、怪我の予防をすることも大切です。ストレッチの際は息を止めずに、「気持ちいいな~」と感じるくらいの強さにするとよいです。

 

 

 

通勤や日常生活でできる簡単な運動

 

 

 

 

「運動やトレーニングの時間がなかなか取れない、やる気が出ない」といった方は、日常生活の中に簡単に取り入れられる運動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

 

通勤時にできる簡単な運動方法

  • 階段を上る時:かかとに重心を置き、一段飛ばしでゆっくり踏みしめる→普段動かしにくい腸腰筋が鍛えられます。
  • 階段を下りる時:脚の骨に刺激を入れることを意識する→骨に刺激が伝わり、骨密度が高まります。
  • 電車やバスに乗っている時:立ったまま胸を張り、ゆっくりと息を吐き下腹部からお腹をへこませる→体幹が鍛えられます。 

 

オフィスでできる簡単な運動方法

 

じっと座りっぱなしで固まってくるのが、肩甲骨と股関節周りの筋肉。この2つを動かすことで、気分もスッキリします。
まずは、肩こり改善の肩甲骨ほぐしを紹介します。

  1. 右手を右肩に、左手を左肩に乗せる(手のひら側の指先を肩に乗せる)
  2. 肘で大きな円を描くように肩を回す

ポイントは、肘でなるべく大きな円を描くことです。肘を後ろに回す時に、肩より後ろまでしっかり動かすことで肩甲骨同士が寄り、肘を前に回す時に肘同士をつけるようにすることで肩甲骨が広がります。
猫背改善にもなるので、ぜひ1時間おきに10回程度からお試しください。

 

次に、腰痛改善にもなる股関節の運動方法を紹介します。

  1. 椅子に座る
  2. 右足首を左の膝の上に乗せる
  3. 背筋を伸ばす。右膝が動かないよう右手を軽く添える
  4. 脚の付け根から体を前へゆっくりと倒し、痛気持ちいいところで10秒ほど停止
  5. 1の状態へ戻り、左足首(右の膝の上)でも行う

ポイントは背筋を伸ばして行うことです。背筋を伸ばすことで、腰からお尻の外側、股関節がストレッチされます。


左右を何度か繰り返し、お尻や太ももの裏が痛気持ちいいところで10秒止まることで、腰回りの伸びを感じましょう。

 

 

誰でも簡単にできる散歩の運動効率を高めるには?

 

 

子どもから大人まで気軽にできるお散歩。しっかりと関節を動かして歩くことで、効果を実感しやすくなります。次のことを意識するようにしましょう。

 

  • 後ろ側にくる脚の、膝をしっかり伸ばして歩く→膝を伸ばすことで、お尻、太ももの裏、ふくらはぎの筋肉を使うことができます。
  • かかとで着地し、かかとからつま先まで足の裏全体で、地面を踏み込むようにして歩く。地面に足跡をつけるようなイメージで、かかとから着地し、つま先へ踏み込みましょう。→かかとから着地をすることで、脚が持ち上がり、つまずき防止になります。また、足首がよく動くことで、ふくらはぎの筋肉も動き、血流改善につながります。
  • 腕を後ろにしっかり引き、肩甲骨同士を寄せるように振る→腕は前に意識して振りがちですが、しっかりと後ろにも引くことで、肩甲骨周りや背中の筋肉を使い、猫背改善につながります。

 

今日から始められる簡単エクササイズをご紹介しました。

お仕事や育児などで自分の時間がない方は、ぜひ日常生活でできる運動から始めてみてください。
簡単な運動をすることで、心も体もリフレッシュできます。
運動不足の解消に加え、食事や睡眠にも気をつけることで、健康的で充実した日が過ごせるはずです。

ぜひ、楽しみながら運動を続けてくださいね。

 

 

※ 2020/07/01 ハウスダイレクト 健康からだコラム

の掲載記事から引用しました。参考になれば幸いです。

 

 

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