中性脂肪とは? 役割や基準値、平均値についてわかりやすく解説

 

中性脂肪は、人にとって大切なエネルギー源です。
しかし脂肪分を多く含んだ食品を摂りすぎると、体脂肪として体内に蓄えられ、血液検査の中性脂肪の数値などに影響が出てしまうことがあります。
ここでは、中性脂肪の役割や基準値などについて、わかりやすく解説します。健康診断の結果で中性脂肪の数値が気になった方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

中性脂肪とは?

 

中性脂肪は、食物中に含まれる脂質であり、体脂肪の大部分を占める物質でもあります。いわゆる「脂肪」のことで、トリグリセリドとも呼ばれます。

血液検査の結果などに記載されている中性脂肪の値は、血中の中性脂肪の量を示します。

 

中性脂肪は人にとって大切なエネルギー源ですが、摂りすぎると体脂肪として蓄えられ肥満につながるなど、体に良くない影響をおよぼすこともあります。

そのため、中性脂肪の数値は多すぎても少なすぎても好ましくないといえます。

 

中性脂肪の役割

 

中性脂肪は、人や動物が活動するための大切なエネルギー源となる物質です。生命を維持するためのエネルギー源には、主にブドウ糖が使われます。中性脂肪はその補助として使われ、体内にエネルギーを蓄える働きをしています。

 

中性脂肪の基準値

 

日本人間ドック協会による中性脂肪(トリグリセリド)の基準値は、30〜149mg/dLとなっています(将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲)。基準範囲内であることが望ましく、高すぎも低すぎもよくないと言えます。

 

※基準値の出典:日本人間ドック学会:検査表の見方「血液検査」

 

採血前の食事は中性脂肪値に影響するの?

 

採血前に食事をすると、中性脂肪の数値に影響を与えることがあるので注意が必要です。基準値は空腹時の値のため、採血前に食事をした場合、値は正確ではなくなってしまいます。

 

検査するときは、一般的に前日夜から翌朝まで食事をとらず、空腹の状態で行います。病院からの指示を守りましょう。

 

中性脂肪の性別・年齢別の平均値は?

 

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、中性脂肪の性別・年齢別の平均値は以下のとおりです。

 

  全体 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上
男性 153.7 127.5 171.3 178.6 163.8 152.8 143.0
女性 128.0 109.1 97.2 107.4 128.8 153.2 136.5

 

※単位:mg/dL

※調査年次:2019年

※コレステロールまたは中性脂肪を下げる薬の使用者を含まない

出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査(令和元年)」-「血清中性脂肪(トリグリセライド)値の平均値及び標準偏差 – 年齢階級別,人数,平均値,標準偏差 – 男性・女性,20歳以上〔コレステロールを下げる薬又は中性脂肪(トリグリセライド)を下げる薬の使用者除外〕

 

基準値の範囲内であっても高めの方は、この機会に食生活などの生活習慣を振り返ってみるとよいかもしれません。

 

中性脂肪に影響しやすい生活習慣

 

食習慣が乱れがちな人

 

生活習慣のなかでも、食生活が乱れていたり、食事が偏ったりするなどの食習慣にまつわるものは、中性脂肪の数値に影響しやすいものです。

また、夜中に食事をとることが多い人も、注意が必要です。夜は体をあまり動かさないので、エネルギー消費量が少なくなり、食べたものが中性脂肪になりやすいと言われています。

 

運動をほとんどしない人

 

脂質や糖質は人が活動するエネルギー源として必要ですが、日ごろ運動をほとんどしない人は、活動で消費するエネルギーよりも食事から摂取したエネルギーのほうが多くなりがちで、中性脂肪の値が高くなることがあるため注意が必要です。

 

中性脂肪を意識した生活習慣とは?

 

食生活を整える

 

主食、主菜、副菜をそろえて1日3食バランス良く食べることが大切です。脂質も体にとっては欠かせない栄養素ですが、摂りすぎるとカロリーオーバーになりがちです。

 

油の質にも気をつけて、飽和脂肪酸よりも植物や魚の脂に多く含まれる不飽和脂肪酸、中でも青魚などに多く含まれるオメガ3(DHAやEPAなど)も取り入れるように心がけましょう。

 

また、糖質の摂りすぎも、肥満や中性脂肪が高めとなる原因です。一方で、糖質は人間が活動するためのエネルギー源でもあるので、極端な糖質制限や糖質オフは避け、摂りすぎに注意するように心がけましょう。

 

運動する習慣をつける

 

中性脂肪が基準値内であっても高めの人は、運動によって体に余分なエネルギー源を溜め込まない習慣をつけましょう。ウォーキングや軽いジョギング、エアロバイクなど、取り入れやすく続けやすいものがおすすめです。

 

運動のための時間を確保するのが難しい、運動が苦手…という人は、「エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う」「通勤のときに1駅分歩く」など、生活のなかでできることを見つけてみてはいかがでしょうか。

 

中性脂肪の役割や基準値、平均値(厚生労働省「国民健康・栄養調査」に基づく)などについて解説しました。血液検査の結果などで中性脂肪が基準値内でも高めな方や気になる方は、ぜひ食生活の見直しや適度な運動を取り入れましょう。

 

これまでの生活習慣を変えることは、すぐには難しいかもしれません。これからも健康な体で過ごすためにも、じっくりと腰を据えて取り組んでみてください。

 

 

監修者プロフィール

伊藤 幹彦/内科・皮膚科医


東京医科大学卒業
東京医科大学 第2外科(心臓血管外科)入局
東京医科大学霞ヶ浦病院 循環器外科助手(現 東京医科大学茨城医療センター)
東京医科大学八王子医療センター 心臓血管外科などを経歴
東京医科大学第2外科助手
新潟こばり病院(現 新潟医療センター 心臓血管外科)
東京警察病院外科 医長を経歴 (血管外科責任者)

心臓血管外科を専門とし、高血圧や糖尿病、AGAなど幅広く対応が可能。
皆様の健康を生涯にわたってお守りする良きパートナーとして、わかりやすく、丁寧な診察に努めている

伊藤メディカルクリニック

 

執筆者プロフィール

青山波瑠香

 

大学卒業後、医学系出版社で編集者として医学書・パンフレット等の制作に携わる。2児の出産・子育てを経て、2017年にフリーランスに転向。小説や企業広報誌の編集ディレクション、グルメや女性向けメディア、メディカル領域のライターとして活動中。「わかる・伝わる・響く記事づくり」がモットー。

 

 

※ ハウスダイレクト 2023/07/20 健康からだコラム

の掲載記事から引用しました。参考になれば幸いです。

 

 

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