問題集 | 箱入り自己チュー娘の遠恋日記

問題集

どーすればいいか分かんないことばかり起こる一週間だった。


先輩とお茶がてらブラブラしてたら話の流れでN朗の店に行くことに…
Nは渋谷に三店舗目を出すって話で打ち合わせで店には顔出せないって事で先輩と2人でゆっくり舌鼓させてもらった次の日…


せっかく来てくれたのに会えなくてマジダウンダウンちょっとヘコんだよ~DASH!

ってメール。
なんて返せって言うんだ…


なかなか気軽に恋愛関係に持ってこうって思えないあたしたち。

昔っからの友達って難しい。
お互いいい年して、共通の友達…どころか大親友もいて、家族も知ってて、なーんとなく付き合いました~なんか合わなかったから別れちゃいました~
なんて軽はずみなこと死んでもできない!


もちろん、今現在のあたしたちの微妙なバランスでちょっとモヤモヤっとしてるなんて近い人ほど他の誰かにも言いづらい。

こんなモヤモヤがもう半年も続いて、あたしもいい加減どうにか現状を変えたい気持ちはあるけど、じゃあ実際はどう変えたいかって明確なビジョンがないもんだからこれまた動けない。

嫌いじゃないし一緒にいてちょっとドキッとする時もあるけど…恋する気持ちが燃え上がる訳でもなく…


周りを考えると余計恋愛としては動きたくなくなっちゃう。

Nには会ってなかった数年間のゴタゴタ話はしてないのが悪いのかもしれないけど、話すタイミングもないし、、、
こーやって一生ダラダラしてく気がしてきた。



二件目はヤツ。

都合のいい関係はお互いの気持ちとバランスが取れてないとホント難しい。

普通の会話になんか相手にトゲを感じてしまう。
あたしはいつもと同じ振る舞いをしてるつもりなのに、ふとした一言一言に返ってくる言葉は、
気持ちがない。
冷たい。
もう、会いたくないってことか?

って…
確実にトゲだよね…


あたしたちにあるのはお互いのキズをなめ合う生易しさだけだと思っていたのに、最近じゃ本当の心を求められてるみたいで、
息苦しい。


彼のことは好き。
大事にしたいし、傷つけたくない。
とても惹かれるものを持っている人で魅力的な男性だと思う。


ただ、あたしが真剣に彼との将来を望んだところで、そう容易に叶えられる関係じゃない。
だからこそ、入り込んでしまわないよう自分から一歩引く努力はしてる。

なのに、なんであえてそんなこと言ったりするんだろ。

こう、彼の機嫌をなおすべくなだめてる自分がわからなくなる。



三件目は…
意外な展開に戸惑わされ…ビックリしただけで止まってしまった、同じ会社のSさん。


入社三年目にして東京に異動になったことをきっかけに最近初めてまともな会話をしたんだけど、、、
見た目サーファーみたいで軽そ~DASH!って勝手な先入観だけでは知ってただけで、関西にいるときはどんな役職かもよく知らないで、電話では失礼ばっかだった汗汗汗
意外とすごく年上でお偉いさんだったんですね……
この業界はみんな年齢不詳で困ります。

こっちに来て会議で会社にも行かないといけなくなって直接顔を合わせる機会が増えたものの、現場と会社じゃなかなか親交が深まるわけもなく。

たまたま懇親会でSさんと以前関西で担当営業と席が近くでかなり盛り上がって営業と飲みに行く約束をしてその日は終わった。


セールが始まってバタバタした毎日でそんな約束すーっかり忘れていたある日、雑貨のクレームが来て対応を会社に電話しないといけなくなった。
雑貨クレーム担当はヤな性格のババァDASH!DASH!
最悪な気分で電話をすると…天の救いか、(タイミングかなり悪くかどっちともとれないけど)こんな繁忙期なのに長期休暇だそうで、同じ雑貨部の新卒が対応に…

内容だけに対応にかなりの不安を抱えながら次の日、

miumiuさん
出勤次第、雑貨部長Sさんに電話してください。

メモがカウンターに…

そんな大きなクレームに発展したのかと血の気が引くのを感じながらバックも置かず、受話器をとり、震える指でダイヤルすると…


おつかれー!
新卒が対応だと不安だと思ってさー!オレって優しくねぇー!?

部長自ら対応してもらえるなんて前代未聞の好待遇ですけど…
新卒以上に軽いノリが気になります…


一転、仕事の話になるといきなりマジメモードで淡々と進めてく。
ちょっと安心できました。

クレームも一段落したとき、思わぬ電話が…

雑貨部長に折り返しお電話くださいとのこと。


まだクレームが納まらなかったのかダウン不安になりながらまた電話すると初めの軽いトーンが返ってきた。

営業のDと3人で今夜ご飯のお誘い。
3人だし、部は違っても一応上司だし、今回はありえないくらいお世話になっちゃったし、、、
断れないなーDASH!
とその夜、営業は急な仕事で来れなくなったと謝りのメールがあせる


なんとなく2人だけの懇親会みたいな感じで食事して帰ろうとしたとき、


miuちゃんさ~
いちおー彼氏追っかけて東京まで来てるの、オレ知ってたけどさ~…


間が空く。
会社にはまだ彼氏と別れたことは言ってない。
実は近々、転職を考えていて切り札にとっとくつもりだ。


え…?


何かあれば相談してよ~
軽そうで頼りないかもだけどさ~実はしっかり者だから!
ホラ、同じ関西のよしみじゃない?


一応、切り札はまだとっとこうと、とっさの判断で

ありがとうございます~
笑顔で返すと同時に、Sさんの指があたしの髪の毛に触った。


ビックリしたあたしの顔に、さっと手を引いて
歩きながらSさんは話を続ける。

オレだったらさ~仕事の話しだってよく理解できるし、、、
なんかオレmiuのことほっとけないんだわ~

ふーん。


Sさーん、そんなこと言ってるとやっぱり見た目通り軽いって言われちゃいますよ~

笑いながらわざと肩をぶつけると


ほんっと心外だよDASH!見た目だけで判断しすぎ!
オレ会社の誰とも噂になったことないだろ~!?
…ただ、おまえはなんかね~…


とにかく!困ったらオレのとこ一番に来いよ!
ま~おまえと違って今は悲しいことにフリーだからすぐ駆けつけてやるからさ~
てか…厳密に言うとオレのほうが出会ったのは早かったのに…なんだかな~



目的地の駅に着いてしまった。
Sさんはゆっくり振り向いてあたしの頭をなでた。

少し悲しそうな笑顔。


ヤバい。
なんかこのままだと好きになっちゃいそうな予感がする。

実は彼氏とはもう別れてます!って言いたい衝動が襲ってきたけど、これから転職するのに切り札をなくしてしまうということだけのせいで言えなかった。


ただ、いつの間にかつないだ手を少し強く握るしかできなかった。


全てを手に入れようとするのは欲張りすぎなのか。