認知症の母の介護は弟家族が主にやってくれている。

なので、私は週末は母を預かり一人暮らしのマンションに母を泊まらせている。


一つの布団に母と2人で寝て、夜中に何度か起きて母がトイレに行くのを手伝うと、冷え性の私はすぐに身体が冷えてしまう。


その後2人で布団に戻ると、私は邪魔にならないように壁の方を向いて横向きに寝るのだが、母は不自由な身体をわざわざ私の方に向けて私の身体を抱くように腕をまわし足をからめて暖めようとするのだ。


それは、小さな頃に私が夜中に目が覚めてトイレに行った後に母の布団に潜り込むと必ず母がしてくれた仕草で、私はそれを思い出しいつも涙が出そうになる。


明るくてよく笑ってお喋りだった母は、今はほとんど喋る事も笑うこともない。

でも、仕事帰りに母に会いにいくと、

「仕事忙しい?身体は大丈夫?」

と聞いてくる。

そして

「M君はどうしたん?元気にしてる?」

と介護で私が単身赴任をしている為に別居中の夫の事を聞いたりする。

「大丈夫。元気。Mも元気。」

というと安心したように微笑んで目を閉じるのだ。


認知症を患って、色んな事を忘れてしまって母が母でなくなっていくと思っていた。

でも、母はやっぱり母なのだと折に触れて実感し、ありがたいなぁと思う今日この頃だ。