スコットと北海道の釣行から羽田に向かう飛行機の中で
銀系のスチールの話になった
「a2はカナダが長かったがChrome(銀系)のスチールは釣ったことがあるのか?」
「いいや。大体がレッドバンドの居付きの魚だったよ」
そう
スキナーを中心とした河川においても
バンクーバー周辺のローカルの河川でも
銀系の遡上したばかりのスチールは釣ったことがなかった
ウィンターランスチール
最も魚が大きく
最も美しい魚体
スチールヘッダーならば
誰もが憧れて
そして一番コンディションがいいと把握している
それもそのはず
遡上したばかりの魚は
海での捕食を繰り返した
銀系のスチール
「スコット、chromeのスチールは僕のひとつの夢だ。いつがベストだ?」
「12月後半から1月の中盤まで。雨が振る前だ」
そんな会話の中
急遽、遠征を決めた
1月13日
単独での渡米を決め、1週間の遠征を決行
成田からポートランドに入る便以外急遽遠征を決めた為
チケットが押さえられなかった
それもポートランドで乗り継ぎ待ち5時間
それでも遠征を決めた
最高のコンディションの魚
一生脳裏に焼き付く魚との出会い
それにはどんなことも苦に感じていては無
言い訳なんて無意味
出会いたいなら身を尽くす
僕はただ単純に
一生脳裏に残る魚を見たかった
メドフォードに到着すると
スコットが来てくれていた
なんだかこの前まで一緒にいたので
久しぶり感はない
まずは近くのアウトドア用品店で
ライセンスを一週間分購入
ここで無論マテリアルなども物色し
遅い昼飯をスコットおすすめのローカルのメキシコ料理店でほうばる
そのまま挨拶を兼ねてWillの店にいくと
風邪をひいたらしく本人には会えなかった
この日はスコットの家に宿泊し
妻が手土産に持たせてくれた
夫婦箸をスコットの奥さんAlexに手渡す
スコットの子供達とバスケなんかをしながら
狩の前のゆったりとした時間を満喫しながら
早い就寝についた
1日目
朝4時に出発
今回はUmqua本流
遡上してくるスチールが相手
コンディションは多少気温が下がってはいるが
そこまで悪くはなさそうである
そして現場に到着
師と仰ぐスコットは
相変わらず自分には手厳しい
僕自身も彼にはそれを望んでいる
ゲストとして接することよりも
手厳しく引出しを伸ばしてもらうことを
いつも望んでいる
誰よりも早く水辺に入る
これはマナーがしっかりしている米国では当たり前のこと
何故なら、途中で川を下っていく最中に
追い越していく人などがいないから
だからこそ現場に到着してから
有意義に用意をしている時間なんてない
そこからが既にハンティングがはじまっている
本流の中流域
流れが弱い場所から
流れが強まる場所に
ひとつの大きな岩がある
まずはここから流そう
スコットはドリフトボートをそこに停めた
アップクロスにキャスト
メンド後3流し目
いきなりひったくるような突っ込み
そして暴力的なファイト開始
10lbのラインは一瞬にして切れそうなくらい
一気にバッキングまで持っていかれる
そして約20分
上がってきたのは
人生初の銀系ウィンターランモンスター

34.5インチ
87cm
16ポンド
7.2kg
そのファイトは開始30分にしての出来事だった
このサイズの秋シーズンの魚は釣ったことがあった
しかし、ここまでのパワーを持ったコンディションの魚ははじめてだった
その美しさ
そしてパワーに手が震える
スコットも、なんだか安堵の表情
そしてここから怒涛のラッシュが繰り返すことになる
メスのウィンターランスチール
オスのウィンターランスチール
気付けば初日5本をランディング
バラシなしと最高な一日目であった
そして宿に戻り
倒れるように眠りについた
2日目
今日は
初日にスコットからもらった
Skagit Master2で彼が着ていた
Simmsのガイドジャケットを着込む

昨日絶好調だった場所に戻り
再度本流を流す
しかし、いったい昨日の好調ぶりはなんだったのかというほど
反応が薄い
ここでもスコットは冷静だった
「a2 他のアングラーが叩いていない裏を突こう」
そういうと上流部にある流れの早い瀬に向かった
この瀬はメンドを入れても流せる距離が極端に短いラン
ここを丁寧に探っていくという戦略
投げてはメンドして
直ぐに投げなおす
そんなことを繰り返し
コツっと触った感触の後
一気にバッキングまで出て行くファイトが開始される
流れが早いので魚も一気に下流に向かう
河原を足早に移動しながら
下流へと糸を回収しながら向かう
消して昨日のサイズには満たないが
早い流れの中で獲った魚

スコットの的確な読みが当たって
流しも決まったときの1本
サイズなんかよりも
そのプロセスが決まったことに
ふたりして河原で笑いが止まらなかった
この日も好調に釣果を伸ばし
4本のランドに成功
その夜も宿に着くと
一瞬にして眠りに付いた
3日目
好調の中
自分の腕が
かなり痛くなっていることに気付く
何せ、メンドを繰り返す中
70アンダーなど存在しない魚を相手に
既に2日で9本もランドしていれば
普段怠けた自分の体には、こたえて当然
そんな泣き言なんて
後で後悔する
朝一で風呂につかりながら腕をマッサージ
今日も訪れるであろう暴力的なファイトに備える
そして場所を大きく移動
下流部へと新しい遡上する魚を探しに向かう
本当に頭の中に全ての情報がインプットされているように
スコットの向かう先には魚がついている
この日も80オーバーをしっかりランド

合計3本と初日から比べると
数こそ減ってはいるのだが大満足の一日を送る
今日はスコットとどこか晩飯に行こうということで
町にある怪しい?日本食を食べることに
日本来日以来どうやらスコットは日本食が好きになったようで
テンション高く店に向かう
店に着いてみると
どうやら韓国人のオーナーの店の様子
海外生活が長かった経験上
中国人オーナーの日本食よりも
絶対的に韓国人オーナーの店のほうが
うまい確立が高い
そしていくつか食事を頼み
度肝を抜いた
何故か全ての料理が異常にデカい!

味は全然許せる範囲
スコットと
「魚も飯もこっちはほんとデカいな!」
と笑いながら
もう一軒いくか?などといいながら
ふたりして食事後睡魔が襲い
宿に戻り就寝
この日はスコットも家に戻らず
一緒に同じ部屋で爆睡した
4日目
どうも初日から比べると釣果が落ちている
自分からすればまったく問題ない釣果だが
そこを更に詰めてくるのがスコット
ギャンブルではあるが
更に下流に入って様子をみたい
ということで
水量がまだ若干多い下流に入る
「a2 この場所はスキナーに14年 ロシアからアラスカまでガイドしてきた自分が、最高だと思う場所だ」
確かに流れは重く、実にデカいのが居そうな場所
水深は雪解けのせいか
少し増してしまっているが
なんだか出そうな雰囲気
そしてスコットの戦略はここでも的中

なんだかサイズがいきなりデカい
そして遡上してきたばかりな感じの魚
これはいける!
そしてキャストを繰り返す
ここまで掛けた魚は全てランドしていたが
神話がここで崩れることになる
大岩に差し掛かる鋭い流れの手前
スコットが40インチオーバーが必ず付いているという場所
今までにない感覚の当たり
そしてファイト
一気に持っていかれ
ジャンプ!
その巨体に一瞬怖いとさえ思った
その瞬間に痛恨のラインブレイク
それもランニングラインから???
おかしい
何か変な切れ方だ
スコットもここに来てバラした自分に
「どうしたんだ!集中しろ!」
と喝を入れてくる
がしかし
どう考えてもおかしい切れ方だった
そして再度気を取り直しキャスト
そしてフックオン!
ジャンプ一発
30インチオーバー確定の魚
がしかし
またラインブレイク!
なんだ?絶対変だ
とフッとガイドを見ると
数々のファイトでガイドに亀裂が
そう
その隙間にラインが引っかかり
全て切れていたのだ
「スコット、だからいっただろ。何か変だって」
これには彼も笑いながら
「すまないwお前が無理してファイトしてると思ったよw」
とここでこれ以上無理と悟り
1本の結果となった
最終日の明日に掛けることとした
5日目
最終日
毎日宿に戻り
次の日の用意をして
眠る
これを300日繰り返す
スコットやプロ達が
どんな思いで水辺を見つめるのかを感じたくて遠征してきた
最終日
この日は昨日のポイントに無論戻る
ボートを下ろす場所もない
崖下にボートを突き落として
車で引っ張り上げるような場所
メーターオーバーを昨日バラした場所
でも
今の自分はサイズなんかよりも
どう流したらいいのか
どうすると魚が反応するのか
それが的中するほうがよっぽど嬉しい
なんだか少しだけプロの気持ちがわかってきたような気がする
水位は更に上がってしまった為
スコットはあまり期待できないと言う
しかし何故か自分は違った
絶対魚が付いているという感覚があった
そして昨日の場所を丁寧に探る
確かに当たりがない
そう思っていた時
かすかな当たりが出た
待っていてくれた!
ここから初日を上回る好反応!
一気に6本をランド!
船上でスコットが作ってくれるハンバーガーをほうばりながら
これは午後もいいだろうね
なんて会話が弾む

しかし、午後になると
いきなり反応がなくなる
どこにいっても反応しない
水量が増して
魚は一気に動いた
このまま終了してしまうのか?
あと1本
どうしても欲しい
そんな中、時間だけが過ぎていく
「a2 ここがラストだ」
そうスコットが僕に伝える
もう一度走って欲しい
そう思いながらキャストした最後の1投
一気にあのランが!
バッキングまで出て行き
ラインを支える指は火傷するくらいに熱いあのラン
最後を飾ってくれたのは
最高に美しいこいつだった

33インチ
83cm
15ポンド
6.75kg
この旅を振り返るように丁寧にランド
最後のキャストで
この旅2番目に大きい魚が出てくれた
この日は合計7本
気付けば5日で合計20本の銀系の夢のスチールをランドすることとなった
今振り返れば
本物のステージで
おもちゃのようなウンチクや技術など
何も通じない
そんなことよりも大事なのは
ただ
現場に通い
何本も魚をランドして
何かを見つけろ
スコットはいつもそう僕に語りかけてくれた
現場で見えてくるもの
理由なんていらない
ただその魚に会いたければ
会いにいけばいい
そうすればいつか会える
こうして20本の魚に出会えたことを
心から嬉しく思う
408Clubで投げ倒し
多摩川で川に馴染み
北海道で実釣し
そんないろんなことをしながら
こうしてアンクアで最高の魚に出会えた
スコットは言う
どんなことでも、強く思えば叶うように
魚も同じだ
出会いたいなら強く思う
僕は釣りを通じて思う
国内であろうが
海外であろうが
どんなステージでも
何が自分のゴールで
何をどうしたいのか
僕にとっては、大きな魚に出会うこと
そして今の自分には
マス属のデカい魚に出会うことがつねに目標であることに変わりはない
この旅も
そんな今の自分には
すべてが
最高の旅であった
そして最終日はMedfordに宿泊
しかしオレゴンはここでも簡単には僕を日本には戻してくれないw
Portlandまでの国内線は遅延
そしてお決まりのPortlandで1泊(前回はサンフランシスコで1泊)
今こうしてPCを打っても
まだあの魚達からもらった腕の痛みは抜けない
最後に
Trout Bumの自分をいつも受け入れてくれる妻
そしてこの旅の最高の案内人スコット
数多くの仲間達
そしてオレゴンの自然の中で生きる素晴らしい魚達に
感謝!
この旅の動画を下記にまとめました

